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2010年12月15日水曜日

PR2ロボット研究コミュニティが、アジア・欧州・北米地域で拡大

2010年12月15日の記者発表(原文)の和訳です。


Willow Garage社「PR2ロボット研究コミュニティが、アジア・欧州・北米地域で拡大」

サムソン電子、仏国立科学研究センター(LAAS)、
ワシントン大学、ジョージ・ワシントン大学がPR2ロボットを購入


2010年12月15日(米国カリフォルニア州メンロパーク市) – Willow Garage社は、PR2ロボットを用いた研究コミュニティが、世界の16の研究機関に拡大したと発表した。今までは、家庭や事業所向けのパーソナル・ロボットのアプリケーションのデザインや実験を開始する前に、研究者たちは、ロボットのハードと付随するソフトウェアを自分たちだけで構築することに多大な労力と時間を要していましたが、以下の4つの先鋭的な研究機関の研究者やエンジニア達は、、PR2ロボットの購入により、まだ開発されていないパーソナル・ロボット向けのイノベーションや可能性を、即座に研究し試すことが可能となりました。

  • 仏国立科学研究センターLAAS研究所(フランス・トゥールーズ市)
  • ジョージ・ワシントン大学(ワシントン市)
  • サムソン電子(韓国・水原市)
  • ワシントン大学(シアトル市)  
Willow Garage社では、ロボット研究者が、研究成果を共有しあいながら効率よく、さまざまな応用を開発できる環境やハードウェアとソフトウェアを提供することにより、パーソナル・ロボットの研究開発に大きな前進を与えるような基盤を築くことが、主要なゴールとなっています。多くのユーザーを有するPR2ロボット・プラットフォームとロボットOS(ROS)の両方を用いることにより、箱から取り出してすぐにでも、技術革新や研究開発の課題にすぐに取り組むことができます。

PR2は、本年5月に、120を超える応募の中から選ばれた11の最先端の研究機関に無償で提供されました。この9月、PR2ロボットの販売を開始。 

Willow Garage社CEO兼社長スティーブ・カズンは、「PR2の販売が開始してから短期間のうちに、PR2ロボットが3大陸に4台出荷できたことを誇りに思っています。また、PR2コミュニティが、あっという間に成長していることに感銘を受け、今後、新たに加わった4つの研究機関で、どのような研究や新しい応用開発が生まれてくるか、成果を楽しみにしています。」と語っています。

1台めのPR2は、サムソン電子(韓国・水原市)の本社研究所に、既に届いています。世界最大のエレクトロニクス企業であるサムソン電子は、PR2を用いて、今までの自社のロボット研究の成果をさらに発展させるために、PR2を購入しました。韓国は、世界でもIT技術がもっとも進んだ国のひとつで、「2020年までに、1家に1台のロボット」の夢を実現しようと、パーソナル・ロボット産業の発展に、政府が力を入れています。

サムソン電子社ロボット研究グループの主任研究員は、「PR2コミュニティのメンバーが、短期間で数多くのアプリケーションを開発していることに驚きました。企業内研究のために、現在、購入できるロボット研究プラットフォームとしては、PR2がベストだと感じました。」と述べ、Willow Garage社に数日間滞在したソフトウェア開発担当の主任研究員は、「ROSは、可視化ツール、データのログ化ツール、コードの公開や共有の簡単さなど多くの利点を持っています。そして、非常に重要なポイントとして、当社が長い間築いてきたソフトウェア資産と共存し、それらをさらに発展させる可能性を秘めていることです。また、PR2とROSは、密に統合されているため、他の研究所で開発された最先端の研究やコードを簡単に試すことができることも、大変に魅力的です。PR2は、ウェブ上の説明やチュートリアルもよくできているので、ロボットの頭や腕を動かしたり、移動させたりするコードを、1日もかからずに自分達だけで書くことができました。」と述べています。 

2台めのPR2は、ワシントン大学(ワシントン州シアトル市)工学部情報工学・電気工学科のジョシュア・スミス助教授と研究室員に、11月2日に届きました。スミス助教授は、インテル研究所(シアトル)における6年間の研究の中で、IEEE RFID 2009の最優秀論文賞などを取得、この冬より、同大学の助教授となりました。

スミス助教授は、「以前は、ロボット研究を行う前に、ハードウェアもソフトウェアも自分達だけで創りあげなければいけなかった立場にいましたので、今回、有用なアプリケーション開発やイノベーションのための開発に、今すぐ着手できることを、心の底より感謝しています。また、ワシントン大学にとっても、世界中に情熱的なロボット研究仲間のコミュニティが、PR2とROS両方に存在している意義は大きく、私たちもコミュニティの一員として、真摯にコミュニティに貢献し、謙虚に学んでまいります。」と語っています。

3台めのPR2は、ヨーロッパ、フランスの国立科学研究センターLAAS研究所に向かっています。LAAS-CNRSは、フランス南部トゥールーズ大学と提携するフランス国立科学研究センターの研究ユニットの一つです。PR2ロボットを用いた研究は、移動ロボット・制御システム・ロボット協調・タスクや動作プランニング・パーソナルロボット・人とロボットのインタラクションなどの研究に携わってきたロボット・AI研究部門長のラシッド・アラミ博士が担当します。PR2を用いて、高齢者向けの家事など、人を支援するための環境インテリジェンス・システムの中の、高位なインタラクションや認知機能の開発を進めます。また、環境インテリジェンスの開発を目的としたADREAMプログラムの新しい実験用ハウス(建築中)で、インタラクティブなロボットの一つとして利用される予定です。

アラミ博士は、「LAAS-CNRSがPR2を購入した理由は、現在、購入可能なロボットの中で、他と比べて突出した技術的特性を有していることにあります。PR2は、パーソナル・ロボット研究のためのすべての要素を盛り込んだ唯一のプラットフォームです。特に、パーソナル・ロボットによる人々へのサポートの研究を念頭に設計され作られています。ロボットの持つ認識や作業能力の高さに加え、Willow Garage社が、世界中の最も著名なロボット研究機関がコミュニティの中で開発した多岐にわたる高品質のコードやライブラリーへのアクセスを提供していることにも、大きな期待感をいだいています。」と述べ、LAAS-CNRSの事務局長アラン・フィリポゥイクスは、「基本ソフトの開発やロボットの細かな組立や設定などに多大なリソースを使わなければいけなかったが、PR2によって、研究者達が今すぐに研究に飛び込ます!」と喜びの言葉を加えた。

首都ワシントン市にあるジョージ・ワシントン大学情報工学部のエバン・ドラムライト助教授は、もっとも新しいPR2のオーナーになりました。ドラムライト助教授は、動的なロボット・シミュレーション、動作プランニング、障害物回避などのアルゴリズムの進化を用いて、人々の職務上の業務を複数のロボットが自律的に作業する方法を解明することを研究の主テーマとしています。

「ジョージ・ワシントン大学内の移動マニピュレーター研究の基盤を築くにあたって、ロボット研究に要される膨大な計算能力を備え、堅牢で信頼性の高いハードウェア・プラットフォームを探していました。PR2は、そのまま研究をスタートできるプラットフォームであるため、私たちは、新しい技術や応用の研究に集中することができます。また、シミュレーターを筆頭として、PR2のソフトウェア・ツールは、私たちの研究努力にいまだかつてないほどの研究効率の向上をもたらします。PR2は、世界中の多数の研究者に使われているROSを利用しているので、多くの研究者が既に開発したコードを再利用し、その上に自分たちの開発を行えます。また、私たちも自分達の研究成果を積極的にコードとして公開し、ほかの研究者の方々にどんどん使ってもらいたいです。」とドラムライト助教授は、述べています。



Willow Garageについて
Willow Garage社は、シリコンバレーにて、ロボットの企画と開発、オープンソースのロボットOSの開発、パーソナル・ロボットに向けたオープンソース・コミュニティの発展を目的として貢献していくことに主眼をおいた企業です。PR2(パーソナル・ロボット2)という研究用ハードウェア・プラットフォームとオープンソースのソフトウェア・プラットフォームROS(ロボットOS)を開発しました。ROSは、BSDライセンスで提供され、誰でも、無償で利用も改変もでき、商用目的の利用や改変も無料で提供されています。ロボット分野の技術のイノベーションを促進し、ロボット技術が、社会にポジティブなインパクトを与え、その導入が公正でオープンに行われていくことを主目標としています。当社は、ロボットのハードウェアとソフトウェア技術の両分野の発展において、世界中の研究所や企業と、アドバイザー・協力者・顧客・パートナーとして協業しています。また、自分たちだけでは、オープンソース化するリソースを有さない研究者や技術者に資金や支援を提供しています。さらなる情報は、弊社のウェブサイト(英語、日本語)をご参照いただき、最新ニュースは、@willowgarage (英語)や @willowgarageja (日本語)のツイッターをフォローしてください。

※ 記者発表の原文(英語)は、こちらよりダウンロードできます。

PR2コミュニティー - 16の研究機関(参考情報)
(米国)
・ボッシュ研究所:新しいセンサシステムの開発と参加機関への提供
・ジョージア工科大学:高齢者支援ロボットの研究
・マサチューセッツ工科大学:人と共存環境での安全な移動や自然言語による対話など
・スタンフォード大学:物体の認識やテーブルの片づけなど
・カリフォルニア大学バークレー校:衣服の洗濯からたたむ作業まで一貫作業へのトライ
・ペンシルベニア大学:動的障害物があるなかでの行動計画など
・南カリフォルニア大学:模倣によるスキルの習得から各種ライブラリの構築など
・ワシントン大学
・ジョージ・ワシントン大学
・Willow Garage
(欧州)
・フライブルク大学(ドイツ):片づけロボットの開発
・ミュンヘン工科大学(ドイツ):複雑なキッチン作業を行うための認識したデータの抽象化・意味づけ
・ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー):各種ツールやライブラリの開発、人とPR2との協働作業など
・仏国立科学研究センターLAAS研究所(LAAS-CNRS)
(アジア)
・東京大学情報システム工学研究室:日常生活を支援するロボットの開発、複数ロボットによる協調作業
・サムスン電子

広報連絡先(英語):
Tim Smith
Element PR
415-350-3019
Willow Garage社プレスルーム: http://www.willowgarage.com/pages/about-us/press-room

2010年8月21日土曜日

PR2クイックスタートコンテストのビデオ

ウィローガレージ創業者、スコット・ハッサンがPR2ベータプログラム参加チームを対象に、
「何かクールか、面白いか、役に立つこと」をPR2にさせてビデオにとる、というコンテストを実施しました。
チームアドバイザーやリーダーに迷惑をかけないように、「通常の研究や自分の役割分担の妨げにならないこと」という条件がついていました。

約6週間という短期間で、どんなことができたでしょうか?ぜひ下のビデオをごらんください!

第1位(賞金5000ドル) 「靴下の洗練化(Sockification)」
UCバークレー Ping Chuan Wang、Stephen Miller、Mario Fritz、Trevor Darrell、Pieter Abbeel



第2位(賞金3000ドル) 「郵便配達(Mailman)」 
ボッシュ社 Ben Pitzer



第3位(賞金2000ドル) 「PR2バンド」 
ペンシルベニア大学 Ben Cohen、Daniel Benamy、Mike Phillips



すべてのエントリー作品

Hizookですべてのビデオを一度に観ることができます。

原文

2010年8月19日木曜日

PR2が購入可能に

PR2ベータプログラムが順調に立ち上がり、世界の11研究機関への発送を完了。
すでに各地でPR2を使った研究が活発に行なわれています。
そして今、次のステップとして、PR2を発売することになりました。

ベータプログラムの参加ラボから良い評価をいただくまで、PR2の商用化については時期を待っていましたが、間もなくその時がやってきます。
来月、PR2のご購入について、正式な発表を行ないますので、詳細はしばらくお待ちください。

それまでの間、見積りやその他のお問い合せは、
PR2info@willowgarage.com(日本語可)にご連絡ください。

ロボット・コミュニティの方々から多大な反響をいただいているPR2に、私たちは大きな誇りを持っています。
研究者がすぐに実りある研究に着手できる、ハードとソフトを統合したロボットプラットフォームであるPR2とROS。
今日ここまで成長できたのは、オープンソースコミュニティの皆さんのサポートのおかげです。
心から感謝します。

原文

2010年7月8日木曜日

PR2プロジェクトの紹介: 東京大学情報システム工学研究室(JSK)

米国西海岸時間 July 8, 2010

過去10年間、東京大学JSK研究室は、ヒューマノイドロボットHRP2に、掃除、片付け、オーブンや食器洗い機の操作、野菜を切る、床の掃き掃除などの家事をさせることに取り組んできました。さらにJSKは、日本が直面している急速な少子高齢化社会の様々な課題を、ITとロボット技術を融合したIRT基板技術によって解決することを目指す、IRTプロジェクトの中核的存在です。IRTの目標の1つは社会や生活を支援する3つのロボットシステム、1)キッチンアシストロボットシステム、2)ホームアシスタントロボットシステム、3)そばにいる人の状況を常に観察し、認識・判断を行ない、役に立つアドバイスをするか、他にサポートしてくれる人にコンタクトをとる介護・支援ロボットシステムを実現することです。

JSKのチームは、2009年春からウィローガレージと共同研究を始め、PR2ですでにいくつかのデモ(2009年3月、2010年3月)を成功させています。この実績を元に、JSKはPR2ベータプログラムのプロジェクト案を「複数のロボットの協働による人間環境における日常作業のための自律的動作計画」としました。
このプロジェクトの目標でユニークなのは、HRP2とPR2の両方を使い複数のロボットによる協働を実現することです。人間が主体の環境でインタラクションするには、人間や他のロボットを含め、周囲の状況が絶え間なく変化していることを理解する必要があります。JSKチームは、異なる運動学、センサー、制御フレームワークを有するロボットの相互運用を研究していきます。

このプロジェクトでは、マニピュレーションプランニング、タスクプランニング、ダイナミック動作、エラー検出、復旧といった高次の認識モジュールが研究の焦点となるでしょう。推進にあたっての指針としては、パラメーター補正なしか微補正のみで、しかも事前の動作教示や位置の限定を最小限に抑えた形で、人間(ユーザー)がロボットに新しいタスクの仕方を教えやすいシステムをデザインすることです。

またJSKは、ROSを3つのメジャーなフレームワークである、EusLisp、OpenRAVE、OpenRTMと統合させます。JSKは20年近くに渡り、ロボットプログラミング用Lisp言語であるEusLispでソフトウェアのフレームワークを開発してきました。ROSとこのフレームワークが組み合わさることで、EusLispで書かれたプログラムが、より分散型かつマルチプロセスの環境で、ハイレベルのスクリプトとタスクの遂行のために使われるようになります。

JSKのもう一つのプロジェクト、動作計画アルゴリズム開発のためのOpenRAVEはあっという間に人気のプラットフォームになりました。
OpenRAVEは、自律的マニピュレーションにおいて「何が実行可能か」、「現実的か」、「再利用可能か」、「他のロボットへの適用性があるか」について、長らく信じられてきた事を、改めて定義しています。OpenRAVEは、CMUのRosen Diankovによって創られたものであり、彼は今後JSKでこのプラットフォームの研究を続けていきます。

最後に、JSKのOpenRTMプロジェクトは日本政府の資金によって研究が行われており、日本で最も多く支持されていプラットフォームです。日本では、最新のヒューマノイドロボットを含め、多くのプロトタイプがOpenRTMを通して直接ドライバーを提供しています。JSKは、既に提供されているROSの環境を再利用しながら、EusLisp、OpenRAVE、OpenRTM間に特化した信頼性の高いモジュールが、徐々にできていくのを期待しています。

JSKの長期的な目標は、ロボットが職場や家庭で人々の日常を助けることができるロボットを創りだすことです。このロボットは、職場ではオフィスや建物を移動しながら、物を片付けたり、取りに行ったり、運んだり、渡したりする能力を持ちます。また、家庭においては、家電や他の道具を操作して高齢者や障害のある人の支援を行うことができるロボットです。

JSKチームについてTeam photo

このプロジェクトは、約30名の学生と10名の教員からなるJSK全体の協力を得て行われます。

プロジェクトリーダー
稲葉雅幸教授
岡田慧准教授
出杏光魯仙博士

プレゼンテーション

下は、PR2ベータプログラムに参加する11研究機関を対象にしたワークショップにおける岡田慧准教授のプレゼンテーションです。
PDFバージョンのダウンロードはこちらから。



原文

2010年6月29日火曜日

マイルストーン4を達成!

米国西海岸時間 June 29, 2010
PR2ロボットマップ (拡大)

先週、PR2ベータプログラムの全ての研究機関に、PR2ロボット発送し終えたことをもって、第4のマイルストーンが達成されました。
4つのマイルストーンは全てこの重要なゴールの完遂に向けて、進捗状況を確認するために設定したものでした。

マイルストーン1は、π(3.14)キロの距離を2日間続けて自律的にナビゲーションするというものでした。第2のマイルストーンでは、自律的にドアを開け、自分で電源プラグを差し込むことができ、マイルストーン3によって、ROS1.0のリリースとROSの文書化および利便性を向上させることができました。

そして今、4つめのマイルストーンの達成によって、PR2を他の研究機関と共有できるようになったことをたいへん嬉しく思います。11台全てのロボットがウィローガレージを旅立ち、それぞれの地に向かっています。スタンフォード、UCバークレー、南カリフォルニア大学、東京大学では、すでにロボットが届き、荷をほどいて木枠から出されました。残りのPR2も今後数週間で到着する予定です。

全てのロボットが一堂に会した眺めも圧巻でしたが、世界中のそれぞれの機関で何が達成されていくのかを見られるのは、さらに素晴らしいことだと思います。今後の発展を楽しみに、私たちもさらにプログラミングを続けていきます。

写真 左から、木枠の上部を外す(南カリフォルニア大学)、PRを木枠から出す(スタンフォード大学)、早速働きはじめるPR2(UCバークレー)

原文

2010年6月23日水曜日

PR2プロジェクトの紹介: ボッシュ研究所

米国西海岸時間 June 23, 2010

ボッシュ研究所(米国にある独Bosch社の研究所)

PR2プロジェクト: パーソナルロボット市場の開発 - 新しいセンサーと自律性の共有による新しいアプリケーションの実現

ロボット研究においては、質の高い研究用プラットフォームの利用が非常に限られていることが、新しいアプリケーション開発の大きなネックの一つになっています。Boschによる「PR2リモートラボ」は、PR2を持っていない研究所からでもPR2へのアクセスを可能にします。もちろん、Boschには独自のPR2研究プランもあり、それを世界中の研究者と共有していきます。Boschの北米研究開発センター(RTC)は、より安全で、手頃に手に入り、優れた能力を持つパーソナルロボットを作ることにより、パーソナルロボット市場を開発することに注力していきます。Palo Alto(ウィローガレージの隣りの市)にあるBosch研究所のロボット開発チームは、ドイツ、シュトゥットガルトにあるBosch本社の研究所のセンシング、信号処理、マニファクチャリング等の専門家と緊密に連携をとりながら共同研究しています。

Boschは自らの最新センサー技術をPR2に統合し、新しいアプリケーションとコストの低減化の実現を目指します。センサーの種類としては、加速度センサー、ジャイロセンサー、力センサー、空気圧センサー、新しい近距離センサー等が含まれていて、これらは他のPR2ベータ研究機関でも共有されることになります。

Boschは長期的にはロボットの市場を開発することに主眼をおいています。それは、簡単な作業だけでなく、複雑な環境においても高い信頼性で働くことができ、しかも手が届く価格のロボットを作るということです。この課題に向けてBoschがとろうとしているアプローチの一つは、自律性の共有です。これにはロボットだけではなく人間も含まれます。ロボットが、まだ早く、信頼性の高い作業ができないタスクは人間に手伝ってもらいます。自律的なシステムと人間による操作のそれぞれの強みを統合することで、パフォーマンスを向上させ、システム商用化のコストダウンを図るのが目標です。

Boschは2009年3月からROSを使って開発した成果を公開することでコミュニティに貢献しています。今後、以前このブログで紹介した三次元復元の研究をROSとPR2に発展させます。これによりPR2は正確なテクスチュアによる三次元モデルを自分の環境に構築することができるようになるでしょう。

Boschチームのプレスリリースはこちらです。

チーム紹介

Boschチームはコンピューターサイエンス、機械工学、電気工学、航空工学の研究者とBosch社のセンシング、認識、信号処理、マニファクチャリングの専門家による混成チームです。うち数人は、現在スタンフォードの自律走行車レーシングチームのメンバーでもあります。

* Jan Becker: チームリーダー
* Christian Bersch: プランニング、認識
* Charles DuHadway: 自律性の共有、リモートラボ
* Benjamin Pitzer: 三次元復元、リモートラボ
* Soeren Kammel: 三次元復元、イメージ処理
* Lukas Marti: センサー、信号処理

他に素晴らしいインターン生がチームに加わっています。
Hao Dang (コロンビア大学)、Adam Stambler (ラトガース大学), Michael Styer (スタンフォード大学)、Joerg WagnerとSebastian Haug (ともにシュトゥットガルト大学)

また他地域のBosch研究所の研究者がプロジェクトに参加します。

下は、11のPR2ベータ研究機関が集まったワークショップにおいてJan Beckerが行ったBoschのプロジェクトのプレゼンテーションです(翻訳中)。PDFのスライドは、こちらからダウンロード可能です。



2010年6月9日水曜日

PR2プロジェクト その2 UCバークレー


米国西海岸時間 June 9, 2010

PR2ベータプロジェクト: パーソナルロボットのためのプラットフォーム

カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)はすでにPR2を使った経験があります。昨年の冬、Jeremy Maitin-Shepardがウィローガレージにやってきて何日か夜を徹してPR2で研究を行いました。このプロジェクトの終わる頃にはJeremyは100%の確率でPR2にタオルをたたませることができるようになりました。バークレーがPR2を受け取とろうとしている今、私たちはこのチームが他に何を達成してくれるのかとても楽しみにしています。彼らは、形が定まっていない物体のマニピュレーション、階層的プランニング、認識、デモ学習など意欲的なプロジェクトを行なっていきます。

タオルたたみはバークレーの柔軟物と洗濯に関する研究の始まりに過ぎませんでした。バークレーの研究者たちは今後2年間で、全く新しいレベルに挑むことになります。PR2が洗濯物かごに入っている汚れた衣類を洗濯させ、洗濯し終わったものをたたむ、つまり洗濯を最初から最後までを自分でするというものです。これには、より困難な課題がいくつもあります。タオルたたみにおける課題の一つは、しわくちゃのタオルをまっすぐにして平らにたたむには、どこをつかめばよいのかを正しく特定することです。衣類を用いて、さらに難しい様々な形状のものを扱うための手法を向上させていかなければなりません。またPR2も、洗濯物を最初から最後までするためには、優れたロバスト性を持って操作を行い、新しいタスクを達成する必要があります。

UCバークレーのJason Wolfeは昨年夏のウィローガレージでのインターン期間中にPR2を使って階層的プランニングの研究を行いました。人間は毎日ほとんどの行動においてこの種のプランニングを行っています。もしあなたが 洗濯物を自分の部屋に運ぶのと目覚まし時計の電池交換を両方しなければならないとしたら、おそらく洗濯物かごを持ち上げて部屋に向かう前にキッチンの引き出しを開けてバッテリーを取り出そうと考えるでしょう。2つのことを別々に行うこともできますが、行動をより適切に計画できればより効率的に時間を使うことができます。同様のタスクプランニングがロボットの動作をより効率的なものにします。UCバークレーはこの課題に新しいPR2を使って取り組んでいきます。

認識の研究領域では、PR2が現実世界の物体を探し、それと相互作用する能力を高めていきます。研究領域の中には、ガラスなど透明な物体の認識や人間の検出、物体把持のための正しい方法などが含まれています。

最後になりますが、彼らはPR2にデモ学習させることを計画しています。ロボットのプログラミングは非常に時間がかかり、プログラムの専門家を必要とします。
もしロボットにさせたいことを自分がやってみせるだけでロボットが学習できるとしたらどうでしょうか。彼らはデモ学習によりPR2に単純な組み立てなどのタスクを教えることに挑みます。

チーム紹介

UCバークレーチームは関連分野の幅広い領域の専門家で構成されています。

Prof. Pieter Abbeel: ロボティクスと機械学習
Prof. Trevor Darrell: ロボットの認識とコンピュータビジョン
Prof. Stuart Russell: 階層的プランニングおよび学習
Prof. Ruzena Bajcsy: 三次元復元とロボティクス
Prof. Ken Goldberg: オートメーションとロボティクス
Prof. Bjoern Hartmann: 人間、コンピュータ、ロボット間のインタラクション
Prof. Michael Jordan: 機械学習
Prof. Dan Klein: 自然言語処理
Prof. Jitendra Malik: コンピュータビジョン
Prof. Claire Tomlin: 制御と検証

優秀な大学院生およびポスドクのみなさん
Mario Fritz、Haomiao Huang、Warren Hoburg、Judy Hoffman、Sergey Karayev、 Jeremy Maitin-Shepard、Stephen Miller、Mathieu Salzmann、Pranav Shah、 Arjun Singh、Hyun-Oh Song、Jie Tang、Ramanrayan Vasudevan、Michael Vitus、Jason Wolfe


プレゼンテーション

下はPR2ベータプログラム参加機関が集ったワークショップでArjun Singhが行ったUCバークレーのプロジェクトのプレゼンテーションです。PDFのスライドのダウンロードはこちらから。



原文

2010年6月7日月曜日

PR2プロジェクト その1 ジョージア工科大学 

米国西海岸時間 June 7, 2010

ジョージア工科大学
プロジェクト: 家の中で高齢者をアシストするための移動マニピュレーション

PR2がもうすぐアトランタ州のジョージア工科大学に到着します。そこでは学際的チームがロボットが一人暮らしの高齢者をどのように助けられるかについて研究を行います。アメリカ、ヨーロッパ、日本の人口はみな高齢化が進んでいます。専門家は、少ない若年層人口が介護を行うことでそのコストが跳ね上がり、高齢者が望む介護を受けられなくなることを危惧しています。PR2のようなロボットは高齢者が高いクオリティオブライフを維持しながら自宅で長く生活し続けるのを助けられるかもしれません。ジョージア工科大学のチームの目標はこの長年の夢に向かって前進することです。

このチームは、高齢者が欲することを推測しようとするのではなく、高齢者の要求やいかにしてロボットが助けられるかについて、高齢者とともに取り組み理解していきます。そしてPR2が家の中で高齢者を助ける作業を行うためのコードを書きます。研究のプロセスを通して高齢者と密接に関わっていくことで、本当に求められていることをきちんと知り、研究を加速していくことを期待しています。すべてのことをより現実的にするために、ロボットは、Aware Homeと呼ばれるジョージア工科大学キャンパス内にある本物の二階建ての家で時々過ごします。高齢者が納得できる環境でロボットと一緒に働くことが可能になり、ソフトウェア開発者には彼らの書いたコードを試すよい場となります。

これは壮大なプロジェクトですが、ジョージア工科大学のチームには、見事にやり遂げた経験があります。例えば、ソフトウェア開発を先導するヘルスケア・ロボティクス研究室は重度の運動障害のある人を助けるための人間大のアシスト・ロボットに関して幅広いバックグランドを持っています。彼らのロボット、CodyとEL-Eは既にROSを使っていて、研究室ではこれらのロボットの、ドアやひきだしを開ける、照明器具のスイッチを操作する、物体を取ってきて渡す(ビデオ)、雑然とした環境でオペレーションするための認識など多くの機能をPR2に移植する予定です。さらにはヘルスケアロボット研究室は、人々がCodyやEL-Eに指示を出すために使う直感的なインターフェースを開発しました。例えばレーザーポインターを使ったポイント&クリックインターフェース、RFIDベースのインターフェース、ダイレクトフィジカルインターフェースなどです。

このチームのもうひとつの鍵となるのは、心理学部のヒューマンファクターとエイジング研究室です。このグループは人間とロボットのインタラクションを先導していきます。彼らは高齢者がロボットを使いたいかに関する最近の調査など高齢者のためのテクノロジーの研究に幅広い経験を持っています。

このPR2チームによって、人々が高齢になっても、ロボットの助けをかりて自宅で自信をもって過ごせるようになる日に近づいていくことでしょう。

チーム紹介

ジョージア工科大学チームは、生物医学エンジニアリング、心理学とインタラクティブ・コンピューティングからの専門知識にたけた研究者たちによって構成されています。何人かのメンバーはジョージア工科大学のロボティクスとインテリジェントマシン・センターとロボティクスのPhDプログラムでも研究しています。

Charlie Kemp 教授 - ヘルスケア・ロボティクスのディレクターであり、プロジェクト全体とソフトウェア開発トラストのリーダーです。Wendy Rogers 教授はヒューマンファクターとエイジング研究室のディレクターで、人間とロボットのインタラクショントラストをリードします。

その他のメンバー

James Rehg 教授 - コンピュータビジョンと機械学習の専門家
Andrea Thomaz 教授 - HRI(人間とロボットのインタラクション)と社会(人間環境)における機械学習のパイオニア
Tracy Mitzner 博士 - ヒューマンファクターとエイジングの専門家
Brian Jones - Aware Home Research Initiative ディレクター

このチームには他に以下の優秀な大学院生とポスドクのグループが参加しています。
Jenay Beer、Tiffany Chen、Travis Deyle、Tucker Hermans、Advait Jain、Marc Killpack、Chih-Hung (Aaron) King、Hai Nguyen、Cory-Ann Smarr

プレゼンテーション

下はPR2ベータプログラム参加機関が集ったワークショップでCharlie Kempが行ったジョージア工科大学のプロジェクトのプレゼンテーションです。PDFによるスライドのダウンロードはこちらから。


この記事にはヘルスケアロボティクス研究室のTravis Deyle(Hizook.comを運営)とCharlie Kemp教授のご協力をいただきました。

2010年6月2日水曜日

PR2卒業パーティのハイライトビデオ! ロボットが世界を変える!


米国西海岸時間 June 2, 2010

PR2ベータプログラムによって無償提供される11台のPR2ロボットを祝福する、PR2卒業パーティのハイライトビデオです。11台のPR2によるダンスなど、いろんな場面をお楽しみください。このパーティを写真でくわしくご報告した以前の記事はこちらです。


訳者より こちらの記事にもビデオがあります。

2010年5月28日金曜日

PR2ロボットが卒業 11研究機関へ旅立つ

Formation
Dance Introducing the PR2s Keenan Wyrobek and Eric Berger Scott Hassan, Founder Party Steve Cousins, CEO

米国西海岸時間 May 28, 2010

水曜日の夜、パーティとロボットのお披露目によってPR2プログラムの公式なキックオフが行われました。300人以上のゲストがウィローガレージに集まり、そこで11台のベータロボットが紹介されました。ウィローガレージのファウンダーであるスコット・ハッサンは、ロボットを工場から私たちの日常生活に連れてくることで生産性が向上するという彼のビジョンについて語りました。パーソナルロボットプログラムのディレクターであるキーナン・ワイロベクとエリック・バーガーは、プラットフォームであるPR2(ハードウェア)とROS(ソフトウェア)の概要を説明。中でもROSの採用がロボットコミュニティで急速に増えていることを私たちがいかに喜んでいるかについて話しました。

ロボットのお披露目の後、PR2の提供を受ける研究機関が紹介され、デモ、記念撮影、人とロボットのダンス、と続いていきました。

パーティのビデオは来週アップしますので、お楽しみに!

パーティの写真はこちら。

下は紹介記事の一部です。

* CNET: Willow Garage rolls out PR2 robots
* Economist: Tech.view: A robot in every home: Helping hands
* SFGate: Pomp and Circuitry: Willow Garage's robot graduation
* Botjunkie: Willow Garage PR2 Graduation Party
* IEEE Spectrum: Willow Garage's PR2 Robots Graduate, How I Became a Texai Robot and Went Partying
* Singularity Hub: Up Close and Personal With Willow Garage’s PR2, Willow Garage’s PR2 Robots Dance
* Wired Gadget Lab: Willow Garage Holds a 'Graduation Party' for Its Robots

原文

日本語の紹介記事

2010年5月27日木曜日

史上初 ロボットの卒業式(ビデオと写真)

PR2の卒業パーティの様子を伝えるDown the Avenueのブログを筆者の許可を得て日本語訳しました。

5月26日、ウィローガレージは歴史上初めてのロボットの卒業式を行った。会場となったのはGoogleが誕生したのと同じカリフォルニア州メンロパーク市、ウィロー通りにある同社オフィスだ。

CEOスティーブ・カズンズとファウンダー、スコット・ハッサンは、ウィローガレージの生い立ち、そのビジョン、そしてこの歴史的な瞬間に至るまでの全てについて胸に迫るスピーチを行った。

数百人のゲストがお祝いに駆けつけた。友人、ファン、社員、地元の市長達、記者、ブロガー、そして大学から。PR2ベータプログラムで選出され、ロボットの無償提供を受ける11大学(訳者注: うち1つは企業の研究所)からの出席者の姿もあった。彼らはPR2のトレーニングとその栄誉を祝うために世界中から集まっていた。



PR2を提供される研究者達は、ウィローガレージのビジョナリー(先覚者)達と、パーソナル・ロボット・プログラムのディレクターであるキーナン・ワイロベクとエリック・バーガーとともに、これから2年間ロボットの研究開発を加速させ、世界を変えるために懸命に取り組んでいくことになる。

下のビデオでは、キーナンとエリックがオープンソース・コミュニティ、選出された大学、ウィローガレージの社員、そしてもちろんPR2ロボット達への感謝を伝えている。PR2ベータプログラムの選考結果が発表されると、PR2はさあお祝いだと言わんばかりに、会場にあふれる人達に向かって小さな旗を振りダンスした。皆の反応からPR2は自分にはファンがいるんだ、とわかったと思う。



それからPR2は会場の人達とダンスしたり、自分の能力を見てもらおうとフロアを元気よく動き回っていた。このパーティはまさしくこんなに素晴らしいことを成し遂げたコミュニティへのお祝いと感謝のためだった。それは、スコットがイベントの最初に言った言葉「自分たちではできないし、自分たちだけでしたくもない」の通りだった。ロボットを陰で支えるさらなる努力、リソース、情熱、そして才能によって、より早く目標が達成されるのだ。



イベント、スピーチ、パーティ、ロボットのダンスの写真やビデオを下に載せた。これから2年間魔法のようにわくわくすることを創出していくROSとウィローガレージのチーム、11研究機関のみなさんの健闘を祈りたい。

ブロガーや記者の前でPR2のデモを行うエリック・バーガー

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エリック・バーガー、スコット・ハッサン、スティーブ・カズンズ、キーナン・ワイロベク

L TO R - Eric Berger Scott Hassan Steve Cousins and Keenan Wryobek

Singularity HubのKeith KleinerとAaron Saenz

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Googleの社員や友人達も祝福に駆けつけた

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テキサイロボットで参加したJohn Markoff

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スコット・ハッサン

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スティーブ・カズンズ

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史上初、PR2ロボットの卒業式

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スティーブ・カズンズとスコット・ハッサン

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写真クレジット: Steve Brehaut

拍手するPR2

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キーナン・ワイロベク

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写真クレジット: Steve Brehaut

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Jonathan KnowlesとRenee Blodgett

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写真クレジット: Steve Brehaut

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写真クレジット: Steve Brehaut

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Kamal ShahとJanet Rae Dupree

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2010年5月26日水曜日

11研究機関集結、PR2 ワークショップ開催中!

PR2 Beta Workshop

PR2 Beta Workshop PR2 Beta Workshop PR2 Beta Workshop PR2 Beta Workshop PR2 Beta Workshop

米国西海岸時間 May 26, 2010

PR2ベータプログラムのワークショップが月曜日に始まりました。11研究機関からの代表がここウィローガレージに集まり、ROSと彼らが無償提供を受ける完成したばかりのPR2についてトレーニングを受けています。お互いに交流を深め、研究の計画について情報交換したりして、素晴らしい時間を過ごしています。ワークショップの写真はこちらです。

原文

2010年5月20日木曜日

PR2ベータ1台目をスタンフォード大に発送

PR2 at Stanford PR2 at Stanford-2 PR2 at Stanford-4 PR2 at Stanford-5 PR2 at Stanford-6 PR2 at Stanford-7 PR2 at Stanford-8

米国西海岸時間 May 20, 2010

1台目のPR2ベータプログラムロボットが正式にウィローガレージから出荷され、無事にスタンフォード大学に到着しました。PR2ベータプログラムが進み始めたことに私たちはわくわくしています。来週には、このプログラムに参加する11研究機関からの代表者が集合し、ROSとPR2のワークショップが開催されます。残りの10台のロボットは約3週間以内に発送する予定です。この最初の短距離の輸送(訳注: ウィローガレージとスタンフォード大の距離は約5km)は、他のPR2を彼らの新しい家に届ける次の輸送のための予行演習になりました。私たちはスタンフォードの人たちが無事故のうちに、受け取った荷物を開け、木枠からロボットを取り出す様子を興奮しながら見ていました。さらに嬉しかったことは、研究室に到着してほんの数時間のうちに、PR2が物体認識のタスクのためのデータを取得しているのを見られたことです。

PR(パーソナルロボット)はもともとKen Salisbury教授の研究室で始まったプロジェクトです。PR1をひっぱりだして、その子孫とともに写真に収まってもらうのは、とてもふさわしいことです。Eddie Salisbury、素晴らしい写真をありがとう。PR2が新しい家に落ち着くことができて心から喜んでいます。

この他の写真はPR2がスタンフォードに到着で。

原文

2010年5月4日火曜日

結果発表: PR2ベータ無償貸与 東大含む11研究機関を選出


米国西海岸時間 May 4, 2010

たくさんの素晴らしいプロジェクト案の応募をいただいたので、当初予定の10研究機関に絞ることが難しく、最終的に11か所になりました。

PR2ベータの無償提供先の募集にご応募いただいた78のプロジェクト案の審査を終え、PR2ベータロボットを無償貸与されることになった11研究機関を発表できることを嬉しく思います。私たちは、応募者数の多さだけでなく、プロジェクト案の質の高さに圧倒されました。アメリカ以外からいただいた応募の存在感も高く、ヨーロッパから3つ、アジアから1つの研究機関が選出されました。提案された研究内容と応用領域の幅広さに、私たちは興奮をおさえられませんでした。と同時に、たった10か所に絞らなくてはならないため、非常に厳しい選択を迫られました。最終的に11か所になったものの、それでも困難を極めました。プロジェクト案を提出するため多くの時間と労力を費やしてくださった皆様に心から感謝いたします。

PR2ベータプログラムは2年間のプロジェクトであり、選出された研究機関は今後それぞれの研究目標の達成に取り組み、協力しあって新しいアプリケーションを開発していくために定期的に会合を持つことになります。
PR2ベータは移動可能なベースをもった堅牢で高性能なロボットのプラットフォームです。マニピュレーションのための双椀、性能豊かなセンサー群、演算処理のために16のCPUコアをもつコンピュータを搭載しています。PR2ベータプログラムロボットには総額440万ドル以上が費やされています。

PR2ベータロボットには、PR2をフルに制御できる、フリー(無償)かつオープンソースであるソフトウェアROSがインストールされています。ROSには、自律によるナビゲーション、マニピュレーション、認識のライブラリなどが含まれています。PR2を受け取った研究機関は、ROSでコードの開発を行い、お互いの研究成果をとても簡単に共有することができます。これはROSコミュニティへの貢献となり、多くのROSコミュニティの研究者がそれぞれのロボットプラットフォームでこれらの成果を活用することが可能になります。

選出された11の研究機関からいただいたプロジェクト案は要約するのが非常に難しいので、その要点の一部を下にご紹介します。これらの研究機関は、今後、その研究結果とともに開発コードをオープンソースのライブラリーとして公開していきます。PR2という共通のハードウェアを提供することにより、研究成果を交換しあったり、これまでとは違った形での共同研究が可能になります。今年のICRAカンファレンスでは、PR2を使った研究に関する論文として自律的な開扉、電源プラグ差し込み、タオルたたみなどが発表されます。これからどんな成果が現れてくるのか、非常に楽しみにしています。



フライブルク大学(独)  (プロジェクト: TidyUpRobot 片付けロボット)

フライブルク大学のマッピングに関する強みは、複数のオープンソースライブラリ(TORO、GMapping)がすでに広く使われているという成果として現れています。彼らはPR2を使ってテーブルの上を整頓することに取り組みます。一方で、基本的だけれどもロボットにとっては難しい能力、例えばいかにしてひきだしや冷蔵庫を開けるか、いかにして異なる物体を認識するか、またこうした情報をロボットのマップにいかにして統合するか、といったことに取り組むことになります。彼らの目標は、高い信頼性をともなう検出、把持、そして物体の移動の達成と、その結果が他のPR2ベータを使う研究機関で再現されることです。

ボッシュ研究所(米国にある独ボッシュ社の研究所) (プロジェクト: パーソナルロボット市場の開発: 新しいセンサーと自律性の共有による新しいアプリケーションの実現)

ボッシュは彼らのマニファクチャリング、センサー技術、消費者向け製品における専門性を生かします。ロボット用センサーをPR2ベータプログラムのメンバー用に作ります。数は限定されますがPR2が環境を感知することのできる"skins"も含まれます。また彼らのPR2を遠隔地からアクセスできるようにして、彼らがROSのためにリリースしてきたライブラリを広く展開していきます。

ジョージア工科大学 (プロジェクト: 家の中で高齢者をアシストするための移動マニピュレーション)

ジョージア工科大学のヘルスケア・ロボット研究室は PR2を"Aware Home"(大学内に設置された実験住宅)に置き、ロボットが家を手入れし、工夫にあふれたアシスト能力で高齢者を助けるにはどうすればよいかについて研究を行います。また、高齢者がロボットとやりとりするためのより簡単な方法を作りだすことや、ロボットがひきだしや照明器具を扱う、電気のスイッチをつけるなど、日常生活で物をどう扱うかについての研究も含まれています。彼らの、人間とロボットのインタラクション研究は、ソフトウェア開発が実際の生活で必要とされることと密接につながっていくことにフォーカスしています。

ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー) (プロジェクト: 移動マニピュレーションにおけるタスク特定、制御、コーディネーションのためのフレームワークの統合)

ルーヴァン・カトリック大学はロボットのオープンソースコミュニティにおいて中心的役割を果たしています。Orocosプロジェクトを創立した研究所の一つとして、ROSとBlenderの統合など、ROSでロボットの研究開発を行うためのツールやライブラリを向上させていきます。また、例えば混雑した環境で物を運ぶなどPR2と人間が何かを一緒に行うことにも取り組みます。

マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL) (プロジェクト: 人間中心の環境における移動マニピュレーション)


MIT CSAILによる混成グループはPR2を使って、人間中心の環境でロボットを動かす場合に重要な能力である、安全なナビゲーション、自然言語を使った人間とのやりとりや物体認識、複雑な目標のためのプランニングなどの研究を行います。彼らの研究によって、ロボットがMITの大きな11階建てのStata Centerビルの中を動き回れるだけのマップを作成できるようになります。さらにPR2が食べ物などを片付け、簡単な掃除を行うことにも取り組みます。

スタンフォード大学 (プロジェクト: PR2におけるSTAIR)


PR1はスタンフォード大学のKenneth Salisbury研究室で開発されました。そしてROSはSTAIR (スタンフォード人工知能ロボット)プロジェクトから誕生しました。私たちはPR2がSTAIRプロジェクトの新しいプラットフォームとなり革新的研究が行われることを期待しています。彼らは、在庫を管理する、散らかったものを回収する、食事の後でテーブルを片付けるなどのアプリケーションに取り組みます。

ミュンヘン工科大学(独) (プロジェクト: CRAM - 認識データを抽象化するマシンとしてのロボット)

ミュンヘン工科大学(TUM)はPR2に人工知能のスキルと三次元認識の能力を与え、キッチンでの色々な仕事を行う際に何を行っているのか意味づけさせるようにします。これらの向上が組み合わさせっていけばPR2がテーブルをセッティングしたり、食器洗い機の中のものを元に戻したり、食事を用意したりといった食事に関わるより複雑なことが可能になることにつながっていきます。

カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー) (プロジェクト: PR2ベータプログラム - パーソナルロボットのためのプラットフォーム)


PR2は今や"タオルたたみロボット"として知られるようになりました。Pieter Abbeel研究室の多大なる努力に感謝します。2ヶ月という短期間で、彼らはPR2に50枚のタオルをきれいにたたませることに成功しました。バークレーは、今後、汚れた服を洗濯してきれいにたたむまでというさらに困難な作業に挑戦します。さらに彼らは階層的プランニング、物体認識の他、デモ学習を応用した実際の組み立てや製造(例:IKEAの製品)にも興味をもっています。

ペンシルベニア大学 (プロジェクト: PR2GRASP - 知覚と意味づけから把持まで)


GRASP研究室のプロジェクトは家庭用のロボットが直面する課題に取り組むものです。これには活発な動きのある環境における人物追跡とナビゲーションのためのプランニング、ロボットの手と人間の手で物を渡しあうことが含まれています。PR2にツールベルトを与えたのも彼らによる貢献の一つです。 これはグリッパの種類を変えさせ、人々の中での追跡とナビゲーションを助け、バネで止められたドアを開けるなど、双椀での難しい動作を行うものです。

南カリフォルニア大学(USC) (プロジェクト: 誘引による永続的動作を行うパーソナルロボット(P^3R) - ネットワーク化され、移動でき、人を助けるロボットの実現に向けて)


USCは、カップに液体を注ぐというような未知の状況や作業に適応できる基本的なモータースキルをPR2に教えるというデモをすでに成功させています。彼らは模倣によってスキルを学び、ライブラリを構築し、改良していくという研究を発展させていきます。一方で人間とロボットのインタラクションとセンサー向け自己キャリブレーションの研究にも取り組みます。

東京大学情報システム工学(JSK)研究室 (プロジェクト: 複数のロボットの協働による人間環境における日常作業のための自律的運動計画)


東京大学JSKは世界最高峰のヒューマノイドロボット研究を行っている研究室の一つです。彼らの目標は、物を片付けたり、身の回りを整頓したりというような日常生活で人間が行うような作業を安全かつ自律的に行えるロボットを作ることです。彼らはさらに、PR2と他のロボットとの協働や、ROS、EusLisp、OpenRAVEの統合にも取り組みます。

(下のビデオの日本語訳はこちら。)

(訳者註) 選出された11研究機関の内訳
米国(7)
ボッシュ研究所(独ボッシュ社の子会社)
ジョージア工科大学
マサチューセッツ工科大学
スタンフォード大学
カリフォルニア大学バークレー校
ペンシルベニア大学
南カリフォルニア大学
欧州(3)
フライブルグ大学(独)
ミュンヘン工科大学(独)
ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)
アジア(1)
東京大学情報システム工学研究室

民間企業はボッシュ研究所のみ。

原文