2010年8月21日土曜日

PR2クイックスタートコンテストのビデオ

ウィローガレージ創業者、スコット・ハッサンがPR2ベータプログラム参加チームを対象に、
「何かクールか、面白いか、役に立つこと」をPR2にさせてビデオにとる、というコンテストを実施しました。
チームアドバイザーやリーダーに迷惑をかけないように、「通常の研究や自分の役割分担の妨げにならないこと」という条件がついていました。

約6週間という短期間で、どんなことができたでしょうか?ぜひ下のビデオをごらんください!

第1位(賞金5000ドル) 「靴下の洗練化(Sockification)」
UCバークレー Ping Chuan Wang、Stephen Miller、Mario Fritz、Trevor Darrell、Pieter Abbeel



第2位(賞金3000ドル) 「郵便配達(Mailman)」 
ボッシュ社 Ben Pitzer



第3位(賞金2000ドル) 「PR2バンド」 
ペンシルベニア大学 Ben Cohen、Daniel Benamy、Mike Phillips



すべてのエントリー作品

Hizookですべてのビデオを一度に観ることができます。

原文

2010年8月20日金曜日

ROS 新機能とともにC Turtle版リリース!

商用改変も自由に行えるBSDライセンス(無償)のもと、
半年毎に新しいバージョンのリリースをおこなっているROSですが、
8月はじめに、C Turtle(バイナリー)版がリリースされました。

今年2月のBox Turtle版からのアップグレードとしては、

  • コアライブラリの改善や多くのバグ取り
  • 低レイテンシ、C++ノード間でのzero-copy式メッセージ通信を提供する「nodelet」
  • Lispクライアントライブラリの公式サポート
  • firewireカメラ用の公式ドライバー
  • サードパーティによるライブラリのバージョンアップ    
    * Stage 3.2.2、Bullet 2.76、Eigen 2.0.15、KDL、Gazebo
  • 試験的ライブラリの導入
    * 三次元知覚、マニピュレーション、把持、ビジュアル・オドメトリ

などが含まれています。

詳しくは、弊社公式の日本語ブログの記事を
ご参照くださいますようお願い申し上げます。
http://bit.ly/ROS-CTurtle


特に、タスクプランナーのSMACHは、ROSとも、
ROSと使わなくても利用できるPythonライブラリーで、
ロボットの行動の分岐やその時々のデータ確認のため、
非常に有効なツールであると思います。
弊社のプラグイン、ビリヤード、カート押し、ビールを取りに行く
などのアプリケーションに大活躍いたしました。
ぜひ、お試しいただきたいと願っております。
http://bit.ly/SMACH


また、弊社に関して、「オープンソースで人を集めて、
Googleにでも売却するのだろう」との非常に残念かつ
勝手な憶測を噂として流している日本の方々がおられました。

弊社創業者が、弊社のビジョンや目的に関して、
約9分間のスピーチを行ないました。
その全文を日本語にて掲載しておりますので、
ぜひ、ご高覧くださいますようお願い申し上げます。

スピーチの中では、

  • 弊社ができたきっかけは、トヨタ自動車の工場に感動したこと
  • 工場の中でのオートメーションが、私たちの日常生活に応用できたら、
    世界経済(GWP)は、100年で、200倍になるから、パーソナルロボットはすばらしい
  • ロボットは難しい
  • 弊社の戦略は、言語が違うMEとEEとCSの人達がいっしょに仕事をできるようにすること
  • 多種多様な研究者、エンジニアと産業界の人々が参加できるコミュニティを成長させること
  • ハードやソフトのプラットフォームを提供し、研究者が効率よくすばらしい研究で立ち上がれることをサポートすること
  • そのようなプラットフォームを所有したくない。コントロールしたくない。
    ゲートキーパーにもなりたくないし、アプリの承認も行いたくない。
  • ただ、研究開発を加速させ、パーソナルロボット産業界の創出をなんとか実現させたい。
    それが、WG社のビジョンであり、創業した理由です。

ということを述べております。
http://bit.ly/WG-Vision

スピーチの映像にでてきますが、2001年7月に、
トヨタ自動車の当時の内山田取締役(現副社長、初代プリウスのチーフエンジニア)
のお招きで工場見学をさせていただいたことが、
現在のROS、PR2、テキサイロボットを生じさせたこと。
当時の共通項が、メーリングリストとコミュニティであったことに
奇遇の縁を感じずにはいられません。

なぜ、毎年、多額のお金を投じて、無償のソフトROSを開発したり、
高価なPR2を無償で、11の研究所に提供した
http://bit.ly/11PR2BetaSites
か、その理由を、創業者のスピーチより、
ご理解いただければ、大変に光栄に存じます。

2010年8月19日木曜日

PR2が購入可能に

PR2ベータプログラムが順調に立ち上がり、世界の11研究機関への発送を完了
すでに各地でPR2を使った研究が活発に行なわれています。
そして今、次のステップとして、PR2を発売することになりました。

ベータプログラムの参加ラボから良い評価をいただくまで、PR2の商用化については時期を待っていましたが、間もなくその時がやってきます。
来月、PR2のご購入について、正式な発表を行ないますので、詳細はしばらくお待ちください。

それまでの間、見積りやその他のお問い合せは、
PR2info@willowgarage.com日本語可)にご連絡ください。

ロボット・コミュニティの方々から多大な反響をいただいているPR2に、私たちは大きな誇りを持っています。
研究者がすぐに実りある研究に着手できる、ハードとソフトを統合したロボットプラットフォームであるPR2とROS。
今日ここまで成長できたのは、オープンソースコミュニティの皆さんのサポートのおかげです。
心から感謝します。

原文

2010年8月17日火曜日

ROS C Turtleの新しいタスクプランナー SMACH



ROS C Turtleに追加された新しい機能の一つは、最近私たちが行った"ハッカソン"において極めて重要なコンポーネントだったものです。例えば、飲み物を冷蔵庫から取ってくるとき、ロボットは冷蔵庫のハンドルをつかむ、ドアを開ける、中に入っている飲み物をスキャンするなど、多くのタスクをこなさなければなりません。予期せぬ状況やエラーに対処しながら、慎重に、これらのタスクを指揮する必要があります。以前、私たちはこういった動作の指示のために複雑なタスクプランニングのシステムを利用していたのですが、開発者、研究者の間で、ロボットの行動のプロトタイプ化のためには、何かもっと迅速に使えるものが必要だと考えていました。

その答えを、インターンの一人が生み出しました。SMACH ("State MACHine"「スマッシュ」と発音)はタスクの指定とコーディネーションのためのアーキテクチャで、Jonathan Bohrenがウィローガレージでの2度目のインターンの研究の一つとして開発しました。Jonathanは、当初ペンシルベニア大学GRASP研究室に在籍していましたが、現在はジョンズホプキンス大学のComputational Sensing and Robotics (LCSR)研究室で博士課程の研究を進めています。ウィローガレージでのインターン期間を延長して研究を続ける間、SMACHは様々なPR2プロジェクトに活用されました。

SMACHはまず、電源差し込みとドアを開けるコードの書き直しに使われ、その後、ビリヤードカート押し飲み物を取りに行く、という3つのハッカソンを通じて洗練されました。これらのプロジェクト全てにおいて、ロボットの行動タスクに関するコードを迅速に書き、タスクの失敗に対応しながらロバストな行動を創りあげていく能力は、非常に重要な役割を果たしました。

SMACHは、ROSから独立したPythonライブラリなので、ROSとでも、そうでなくても、使用可能です。また、現在のSMACHを使ったタスクプランの状況を可視化するビジュアライザーや、内部の状況やデータフローをモニターする内部状態監視ツールなどの重要な開発ツールと一緒に利用できるようになっています。
すでに、たくさんのSMACHのチュートリアルSMACH関連のROS wikiにアップされています。これから、SMACHがより多くのクールなロボットアプリを作り出すのに使われるのを楽しみにしています。

原文

2010年8月3日火曜日

ROS C Turtle リリース!

cturtle_poster.jpg

ROS C Turtleがリリースされました!

ROS C Turtleは、ROSの2番目のディストリビューションです。最初のROS Box Turtle2010年3月2日にリリースされ、ROS安定版とコアライブラリーのほか、navigationrvizなどの開発ツール、ハードウェアドライバや画像処理パイプラインなどを備えたものでした。

ROS C Turtleでは、これらのコアライブラリの改善や多くのバグ取りなどにより、Box Turtleを全面的に改良しました。その改善点の中には、低レイテンシ(遅延)、C++ノード間でのzero-copy式メッセージ通信を提供する新しいアーキテクチャー「nodelet」、Lispクライアントライブラリの公式サポート、firewireカメラ用の公式ドライバー(Jack O'Quin氏の貢献によります)も含まれていています。このリリースでは、非常に多くのサードパーティによるライブラリ、例えば、Stage 3.2.2、Bullet 2.76、Eigen 2.0.15、そしてKDLとGazeboの新しいバージョンなどもアップデートされています。変更リストをごらんいただくと、いかに多くの改良がなされたかが、おわかりいただけます。

本リリースでは新しく、三次元知覚マニピュレーション把持ビジュアル・オドメトリなどの試験的なライブラリが加わっています。早期に試験的な導入をできる方は、これらのライブラリーをさらに安定させるためにも、ぜひこれらを試してフィードバックをお寄せください。

Box Turtleのリリース以来、ROSコミュニティは急速に成長してきました。ROSコードのオープンソースリポジトリが12以上、新たに公開され、移動マニピュレーターから自律操縦ボートまで幅広いロボットプラットフォームにROSが移植されています。UrbiKartoといった商用ロボットソフトウェアのライブラリも今やROSと互換性のあるオープンソースの提供を行い、ROSを使ったロボットプラットフォームは増加の一途をたどっています。ROSコミュニティ内で新しいコラボレーションの機会が増えていることはとても嬉しいことです。みなさんがC Turtleリリースを楽しんで使ってくださることを願っています。

ROSディストリビューションは6ヶ月毎のサイクルで行われます。C Turtleの後継になるDiamondbackは2011年2月にリリースの予定です。

原文