2010年1月28日木曜日

OpenCV 2.0 と今後

米国西海岸時間 Thu, 01/28/2010

ビクトー・ユヒモフがOpenCVを用いてテキサスロボット開発に成果をもたらしたという記事が最近投稿されましたが、今日はOpenCVの最新状況についてみなさんにお伝えしたいと思います。

コンピュータビジョン・ライブラリであるOpenCVはインテルでオープンソース・プロジェクトとして始まり、この2年間は主にウィローガレージが支援を行っています。ライブラリはBSDライセンスの下リリースされ、商用、研究用など用途を問わず無料で使用できます。現在、OpenCVはメンバー4万人以上のアクティブなユーザーグループがあり、ダウンロード回数は200万回をはるかに越えています。

ウィローガレージは、ロボットの知覚の信頼性を向上させるため、OpenCVの機能やその応用の拡大にフォーカスしてきました。OpenCVライブラリがロボットが「見ること」を助ける重要な役割を果たしてほしいと考えています。これは、10年も前に開発が始まった古いライブラリをモダンなものに書き換えなければいけない、ということを意味していました。
OpenCVは、Vadim PisarevskyによるC++用、James BowmanによるPython用のインターフェースが新しく加わり、革命的な変化を遂げました。さらに新しいテクスチャ認識機能、Marius MujaとDavid Lowe教授による近似最近傍検索アルゴリズムのライブラリ(FLANN)も備わったものになりました。画像補正における、キャリブレーション→レクティフィケーション(平行化)→ステレオ処理→奥行き情報の可視化(デプスマップ)パイプライン処理も可能です。これらはすべて2009年9月のOpenCV 2.0のリリース時に出来上がりました。

この非常にモダンになったライブラリを擁して、OpenCVのチームは今新しい機能の実装、そしてこれまで以上に安定してしっかりテストされたライブラリを作ることに向けて前進しています。テストコードの増加の様子はここで公開されています。もし新しい機能に興味がある方は、OpenCV開発者のTwitterをフォローされてはいかがでしょうか。
テキサイ

Gary Bradski

原文はこちら

Timmyより:
Garyさんは、おもしろくてあったかくて楽しくて、とってもいい人。
去年WG社のセミナーが日本であったので、ファンになった方もいるのではないでしょうか。
Garyさん著「Learning OpenCV」の日本語版「詳細 OpenCV

2010年1月26日火曜日

テキサスロボットアルファ版、25台を製作中

米国西海岸時間 Tue, 01/26/2010

テキサスロボットに関して、この1か月ほどの間に進展がありました。私たちは、自分たちで使うためとテレプレゼンスの研究のために「テキサス・アルファ版」(略して「TA」)を25台製作することを決め、その実現を目指して、この1か月間、デザイン系のパートナーであるファンクション社とともに作業を進めてきました。


このプロジェクトの最も大事な側面の一つは、「改変が可能なもの」にすることでした。部品を取り替えられる自信がある人なら、六角レンチを使って誰でも改変ができるようにします。ユーザーの方達は、ソースコード(ROS)とシステムを備えた現物のTAを使ってどんなことをするでしょうか。

サブアセンブリの組立ては急ピッチで進行中です。このスライドショーからもわかるように、TAのうち少なくとも2台を製作し終え、あとは同じように組立てているだけなので非常に早いです。25台ものテキサスロボットとなると、ウィローガレージの中に置いておく場所はないかもしれないのですが、遠隔操作性をテストするためにほどなく様々な場所に送られることになっています。

テキサスロボット担当のダラス、カート、インターンのグライムス(パデュー大)は、他のテキサス/WG/ファンクションのチームメンバーとともに、自ら六角レンチを回したり、あちこち部品を取り付けたりしてきました。また、PR2ロボットのために開発されたものを土台に開発が行われているソフトウェアも仕上がってきました。完成したTAがこのオフィスにやってきて、初めてのテストドライブを行うのが楽しみです。

原文はこちら。

テキサスロボットのドッキングステーションと自律パーキング

米国西海岸時間 Tue, 01/26/2010

テキサスロボットというプラットフォームは、テレプレゼンスの実験をほんとに楽しくしてくれています。オリジナルバージョンにおいては、大きな課題の1つが充電でした。テキサスロボットは1回の充電でまる一日もつのですが、それを遠隔から操縦する「パイロット」は一日の終わりに、誰かロボットの電源プラグを差し込んでくれる人を探さないといけなかったのです。ハードウェアチームはこの問題を見事に解決しました。とても使いやすい便利なドッキングステーションを作りあげたのです。ロボットをただ後ろに向けて動かすだけで、後はV字型のバーが誘導してくれてプラグを差し込むことができます。

この操作自体は簡単なのですが、手動で行うとある程度時間がかかってしまいます。私たちはさらに便利にできないだろうか、と考えていました。PR2が自分でプラグの差し込みができるのであれば、テキサスロボットにできないわけはないんじゃないか?と。私たちは、ロボットによるテレプレゼンス体験をもっと快適なものに向上させたい。充電のようなメンテナンス作業に時間を費やすことなく、テキサスのようなロボットをプラットフォームとして使って、他の人々とやりとりしてもらえるようになりたいのです。私たちはこの問題を完全に解決したわけではないのですが、ビクトー・ユヒモフとOpenCVのおかげで、一歩前進したようです。



OpenCVの開発者であるビクトー・ユヒモフは、去年の12月にウィロー・ガレージを訪問している間に、OpenCVとROSを結びつけ、視覚をベースにした自律パーキングのプロトタイプを開発しました。このプロトタイプは、テキサスロボットに設置されたカラーカメラを使ってドッキングステーションを探します。ドッキングステーションには、何色かの円形で作ったテンプレートをつけてあります。カメラがとらえた画像にカラーの識別フィルタをかけ、ドッキングステーションのテンプレートであるかを認識させます。そうしてドッキングステーションの位置が判定できたら、テキサスロボットがそこに移動する、というものです。このドッキングステーションは、自律ロボットにも簡単に使いこなせる優れた設計になっています。今のところ、まだ操縦者がテキサスをドッキングステーションが見える位置まで移動させることが必要なのですが、いずれ解決して、よいご報告ができることと思います。

原文はこちら。

Timmyより:
まだ粗い翻訳ですが、とりあえずアップします。
WGのブログには世界各国のロボット研究/開発者が登場するので楽しみです。
今回はロシアの方ですね〜 スパスィーバ(知っている唯一の単語…)
いつかテキサス使ってあっちこっち行ってみたいなー。

2010年1月24日日曜日

ROS 1.0(安定版)のリリースとPR2ロボット無償提供プログラム締切について

先週土曜日(西海岸時間金曜夕刻)に、世界15の研究機関で、
850を超えるパッケージが開発されているオープンソースのROS 1.0 (安定版)
のリリースを行いましたので、ご報告申し上げます。

また、先週ご案内申し上げた「PR2ロボット無償提供プログラム」の
提案意思表明の締切りが、あと1週間となりました。
意思表明は、簡単な手続きで終わります。
概要を下に記しましたので、よろしくご検討賜りますようお願い申し上げます。

発表に関する詳細は、ボランティアの方による弊社ブログ和訳サイト
http://wgblogjp.blogspot.com/
をご覧ください。

以下、概要と特長を記します。

ROS 1.0
  • オープンソース 無償 商用改変可能(BSDライセンス)
  • スタンフォード大学人工知能ロボット研究所(STAIR)で誕生し、2年前より開発
  • ハードウェア(PR2など)に依存しなくても、ナビゲーションやビジョン・認識系のライブラリの利用が可能
  • 203件のチュートリアル
  • 186のパッケージを含む29のROSスタック(Ver 1.0 安定ステータス)
  • ナビゲーション、3-Dビジュアライゼーション、コーディネートフレーム、ロボットモデリング、レーザー、カメラプロセシング、データロギング&プレイバック、OpenCVとの強力なインテグレーション
  • PR2向けシミュレーション、リアルタイムコントローラ、診断およびデバッグツール、ドライバ
  • 既存ロボットシステムとの相互利用 - euslisp(東京大学)、OROCOS(カトリック・リューベン大学)
  • 15のリポジトリによる850以上のROSパッケージ
  • 仏Aldebaran社Naoや米iRobot社Createなど、さまざまなハードウェア用ドライバ
  • リポジトリ開発・管理者の所属先:
    テキサス大学オースチン校、ボッシュ研究所、ジョージア工科大学、コロラド大学ボルダー校、ミュンヘン工科大学(独)、スタンフォード大学、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学、ワシントン大学、ブラウン大学、ウースター・ポリテクニック(英)、フライブルグ大学(独)、ペンシルバニア大学、アリゾナ大学、ウィローガレージ社
  • 100を超えるユーザースタディを行った、21のユースケース

ROSwiki日本語版

 ROSインストレーション
 ROSコアスタック・チュートリアル
 http://www.ros.org/wiki/ja
 (※ 専門別翻訳者を募集しています)

PR2ロボット
  • ファントム・アームで著名なスタンフォード大学ソールズベリー研究室で、プロトタイプ誕生
  • 人間サイズで、パーソナルロボット分野開発向けプラットフォーム
  • 分散処理ならびにデータロギングとロボット・シェアリング
  • 2 X (i7Xeon 8コアCPU、24GB RAM、 2TBホットスワッパブルHDD)
  • ビジョン・認識・マニピュレーション研究者向けセンサー群
  • 広角・狭角のステレオ・カメラ2セット
  • グローバル・シャッターと同期したパターン照射LED
  • 高解像度5メガピクセルカメラ
  • オクルージョンを防ぐ下腕内側のイーサネット・カメラ2台
  • 北陽電機製TOP-URG2台(底部2Dナビゲーションと上下チルトによる3Dポイントクラウド)
  • モーター電流による力制御(1 KHz)
  • IMUと指先の圧力センサーアレイ(24ポイント)
  • オフィス・家庭内環境への配慮
  • ばねによるカウンターバランスを利用した柔軟機構
  • モータ出力とギア比を少なくしたバックドライバブルな双腕(7DOFずつ)
  • ハードウェア・ベンダーの開発を促すモジュラー性
  • EtherCAT(データ)と電力(DC12/48V)
  • まとめとデモ映像(国際ロボット展2009での講演)
    http://www.willowgarage.com/blog/2009/12/02/irex-2009-platform-personal-robotics

PR2ロボット無償提供プログラム

プログラム概要
http://www.willowgarage.com/pages/pr2-beta-program/cfp

プログラム説明書(CFP)
http://www.willowgarage.com/sites/default/files/cfp/CFP2010.pdf

志願に関して
上記CFP内の「志願に関するガイドライン(P.12)」をお読みください。

1)提案意思表明 2月1日締切
CFPのAppendix 1(P.16)をご参照ください。

2)研究提案   3月1日締切
CFPの6.2「研究提案書志願に関して」(P.12)をご参照ください。

カバーレター
目次
PR2プログラム承諾書 (Appendix 2, P.17)
オープンソース誓約書 (Appendix 3, P.19)
提案概要(プロジェクト概要、チームメンバー、オープンソース・コミュニティへの貢献、研究施設)
プロジェクト内容
研究者プロフィール(Appendix 4, P.20)
組織ならびに研究施設のプロファイル


応募ならびに選考基準(CFP P.9)

応募基準
  • パーソナルロボット分野の発展に寄与する科学的研究に従事している
  • 提案プロジェクトに関連するロボットならびにソフトウェア開発の経験を有す
  • PR2ロボットをフルに活用できる施設や十分なリソースを有する
  • オープンソースにより、コードをリリースできる
優遇される研究チーム
  • オープンソース・コミュニティの開発や参加の経験
  • 非軍事アプリケーション開発の経験と軍事関連の資金供与に依存しない
  • 実際のハードウェアを利用したロボット実験の成功例を有す
  • さらに多くのロボット研究者へのPR2プラットフォームの提供
  • 複数のプロジェクトにPR2を利用
  • 1研究組織内の内部グループの協力
  • 外部組織との提携や協力

ご質問やご要望、ご意見などがございましたら、
ご遠慮なくご連絡くださいませ。

サンフォード・ディカートがSuperHappyDevHouseでトーク



米国西海岸時間 Sun, 01/24/2010 - 17:00

サンフォード・ディカートがSuperHappyDevHouseで、テキサスロボットROSPR2無償提供プログラムについて短いプレゼンを行いました。

原文はこちら。


2010年1月22日金曜日

マイルストーン3達成: PR2ベータとROS 1.0が完成

米国西海岸時間 Fri, 01/22/2010 - 17:42

今日、マイルストーン3を達成しました!ROSが1.0になったのです。 つい先日、PR2ベータロボットとPR2ベータブログラムも公表しました。これは10台のPR2ロボットを無償提供するというものです。 

もちろん、もっとすごいこともあります。マイルストーン3に取り組み始めてから、次のことが達成されました。
  • 203におよぶ ROS ソフトウェアチュートリアル
  • 合計186のROSパッケージを含む、29の ROSスタック(ROS 1.0 安定ステータス)
  • 100を超えるユーザースタディを行った、21のユースケースの完成
もちろん、数がすべてでないことは言うまでもありません。

また、無料、オープンソースのライブラリ(BSD)として、以下のものが可能になっています。ナビゲーション、3-Dビジュアライゼーション、コーディネートフレーム、ロボットモデリング、レーザー、カメラプロセシング、データロギング&プレイバック、OpenCVとの強力なインテグレーション、がそれです。
他にもたくさんのライブラリ(PR2シミュレーション、リアルタイムコントローラ、診断およびデバッグツール、ドライバ)がPR2とともに提供されますので、ロボットを受け取った方は、ロボットがついたその日からアプリケーションの開発を始めることができます。

また、wikiニュースブログコードの閲覧ができるコミュニティサイトROS.orgが刷新されました。みなさんの協力を得て、より良い、より一貫性が増し、今まで以上に徹底したドキュメントを提供できるようなコンテンツをもったwikiに作り直すことができました。また、オープンソースのコードホスティングをcode.ros.orgに移動させることによって、接続スピードを格段に上げることができました。

ROSコミュニティはマイルストーン3達成に非常に大きな役割を果たしてくれました。それは、ROS構築の土台となる高品質のオープンソースライブラリを提供していただいていた方々であり、最優秀のロボットリサーチプログラムからやってきた素晴らしいインターンのみなさん、数えきれないほどのwikiコントリビューターの方々、ユーザースタディに参加してくれた方々、パッチを送ってくれた開発者、そしてros-users MLの参加者のみなさんであり…。
みなさんすべての力によって、オープンソースとクオリティはともに進歩していくものだということが証明されたのです。

実際、私たちがマイルストーン3で忙しくしている間にも、ROSコミュニティはROSライブラリのリストを拡大しつづけました。今や15もの組織が、オープンソースROSライブラリをリリースし、ROS.orgのドキュメンテーションに貢献しています。850以上のROSパッケージがあり、Aldebaran NaoiRobot Create用のライブラリをはじめ、もっともっとたくさんのライブラリのダウンロードや使用が可能になっています。

マイルストーン3の達成によって、まるで長い旅がようやく終わるかのようです。PR2アルファ版プロトタイプの製作からはじまり、自律的にドアを開けプラグを差し込むこと、そしてPR2とROSを堅牢な研究開発プラットフォームに作り上げるまで、という旅の。でも、現実的には、これは始まりに過ぎません。今、ROSは新しい利用者のための準備が整い、そしてもうすぐ10台のPR2が世界中の最高峰の研究機関の手に渡るときがやってきます。これからも、ロボットコミュニティとともに、次の段階へ進んでいけることを楽しみにしています。

原文はこちら。

Timmyからのお知らせ:
ROSに関する日本語版ブログがあるようです。


ROS 1.0



米国西海岸時間 Fri, 01/22/2010 - 16:40

ROS 1.0がリリースされました!

ROSの開発は2年ちょっと前に始まりました。初期のころのものからは、すいぶん多くの変更が行われてきました。
二人の開発者から始まった小さなプロジェクトが、大きなもの小さなもの、そして学術研究か産業界かを問わず、幅広いバラエティに富むロボットをサポートする、活気あるコミュニティに成長したのです。

この1.0のリリースがこれまで以上にコミュニティを助けること、そしてすべてのみなさんがこれからも引き続き参加し、貢献し続けてくれることを願っています。

ROS単体では、ロボットを動かすことはできません。1.0としてリリースした多くのライブラリには、以下のものが含まれています。
  • コアライブラリとツール: common 1.0, common_msgs, diagnostics 1.0, geometry 1.0, robot_model 1.0, visualization 1.0, visualization_common 1.0
  • ドライバ: driver_common 1.0, imu_drivers 1.0, joystick_drivers 1.0, laser_drivers 1.0, sound_drivers 1.0
  • ナビゲーション: navigation 1.0, slam_gmapping 1.0
  • シミュレーション: physics_ode 1.0, simulator_stage 1.0, simulator_gazebo 1.0, pr2_simulator 1.0
  • 画像処理や認識: image_common 1.0, image_pipeline 1.0, laser_pipeline 1.0, vision_opencv 1.0
  • PR2: pr2_common 1.0, pr2_controllers 1.0, pr2_gui 1.0, pr2_mechanism 1.0, pr2_power_drivers 1.0, pr2_ethercat_drivers 1.0
(訳者註: 原文にはそれぞれにリンクがついています。)

このリリースにおける変更は、変更リストをご覧ください。

原文はこちら。

2010年1月19日火曜日

スコット・モース作 PR2

PR2 Beta, by Scott Morse
米国西海岸時間 Tue, 01/19/2010 - 23:42

去年、私たちは、ピクサー、レッドウィンドウのアーティストであるスコット・モースにPR2の絵の製作を依頼しました。PR2ベータが公表された今、ついにみなさんにお見せすることができます。スコットのAlternative Press Expoの記事を読むと、「Lost in Space」や「鉄腕アトム」など他のロボットの絵も見られますよ。

スコット、そしてピクサーのアーティストのみなさん、「UP」のゴールデングローブ賞受賞、おめでとうございます!

原文はこちら。

2010年1月17日日曜日

CFP: ウィローガレージ社無償ロボット提供プログラム開始

米国西海岸時間1月15日(金)夕刻に発表されました、
弊社によるPR2ロボット無償提供プログラムに関する
CFPをご案内をさせていただきます。

(以下は、この投稿の最後に記載されている原文の和訳です)

ウィローガレージ社は、弊社が製作しているPR2(ベータ)ロボットを
披露することができ、光栄に存じます。約10台のPR2(ベータ)ロボットを
無償提供するプログラムも、同時に始まります。

http://www.willowgarage.com/pages/pr2-beta-program/cfp

締切期限(米国西海岸時間)
 * 提案意思表示 2010年2月1日
 * 最終提案   2010年3月1日

PR2は、ロボットのアプリケーションやソフトを開発する方々のために、
ゼロからデザインしたオープンかつ堅牢な研究用プラットフォームです。
PR2は、オープンソースのROS(ロボットOS)を利用して動き、
この2つのプラットフォームが、オープンソースによるソフトウェア開発、
研究や協力(コラボレーション)の推進に、ユニークなチャンスを
提供できることを願っております。

本日、PR2(ベータ)ロボットが製造ラインから、
無事生産されたことを確認しましたので、PR2無償提供プログラムを発表いたします。
このプログラムにより、プロトタイプではない生産レベルのPR2ロボットが、
はじめて、弊社の境界を超えて外部の研究機関において、
ロボット研究に利用される時がまいりました。

産官学を問わず、世界中の研究機関から、以下のミッションに寄与する
ご提案をお待ちいたしております。
  • パーソナル・ロボット分野での科学的ブレークスルー
  • ロボット・ソフトウェアにおけるオープンソース・コミュニティの育成や拡大
  • 再利用が可能なコードやツールの開発とコード群利用の啓蒙やサポート
  • パーソナル・ロボット分野での新しいアプリケーションの模索
弊社のこのPR2(ベータ)プログラムの目的は、
パーソナル・ロボット分野の研究を発展・促進させることと、
世界中の研究者や開発者が、業界の発展に寄与・貢献できる
オープンソース・コミュニティを発展させることにあります。

ぜひ、PR2(ベータ)ロボット無償提供プログラムに関する募集案内
(CFP - Call For Proposals)を
http://www.willowgarage.com/pages/pr2-beta-program/cfp
より、ダウンロードしてください。

CFPに関する書類をお読みいただき、
また、Appendixの書類例などをご参照いただき、

PR2Proposal2010@willowgarage.com あて、

ご提案の意思表示や最終提案をお送りいただけるよう
よろしくお願い申し上げます。

皆様からの創造性あふれるご提案を楽しみにいたしております。

チーム Willow Garage


=== オープンソースROSに関する補足情報 ===

公式ウェブサイト(英文)パーソナル・ロボットの分野
  http://www.ros.org/
18のリポジトリー
  http://www.ros.org/wiki/Repositories
59のスタック
  http://www.ros.org/wiki/StackList
202のチュートリアル
  http://www.ros.org/wiki/AllTutorials

日本語ブログ(非公式)
  http://wgblogjp.blogspot.com/
  http://ros-robot.blogspot.com/
  http://blog.livedoor.jp/k_yon/

携帯電話・携帯PCにおけるオープンソースの活躍
  http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1001/11/news005.html
  http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1001/07/news086.html


*****   英語原文   *****

Subject: CFP: PR2 Beta Program (Robots at no cost)

Willow Garage is very excited to announce the unveiling of our PR2
Beta robot. We are also announcing the opening of our PR2 Beta
Program, which will make available approximately ten PR2 Beta robots
at no cost.

http://www.willowgarage.com/pages/pr2-beta-program/cfp

Deadlines
 * Intent to respond: 1 February 2010
 * Proposals due:     1 March 2010

The PR2 is an open and robust robot platform designed from the ground
up for software developers.  The PR2 runs on ROS (Robot Operating
System), and together, these two platforms provide a unique
opportunity for open source software development, research, and
collaboration.

Now that the PR2 Beta production robots are coming off the line, we're
announcing our PR2 Beta Program. This program will, for the first
time, place complete, production PR2 robots beyond the doors of Willow
Garage.

We invite research institutions worldwide to submit proposals that
promise to: enable scientific breakthroughs in personal robotics;
expand the open source robotics community; produce reusable components
and tools; and explore new applications for personal robots.  Our
objective in this PR2 Beta Program is to facilitate progress in the
area of personal robotics, and to develop a world-wide community of
researchers and developers contributing to open source.

Please find the PR2 Beta Program Call for Proposals at:

http://www.willowgarage.com/pages/pr2-beta-program/cfp

We hope that you will read it through and submit a proposal to us at
PR2Proposal2010@willowgarage.com.

We look forward to hearing from you!

The Willow Garage Team

2010年1月15日金曜日

発表 PR2ベータプログラム: 無償提供先の募集開始!

PR2 Beta Program: The Call for Proposals is Out!
米国西海岸時間 Fri, 01/15/2010 - 08:38

いよいよ今日、私たちはPR2ベータロボットを初公開します!また世界中の研究機関へこのロボットを無償提供するプログラムへのプロポーザル募集開始もここに発表します。

当社の研究者開発者、そしてインターンたちは、ロボットに新しいわくわくする能力を付加するために、過去2年間にわたり、プロトタイプのPR2を使ってきました。PR2プログラムは、オープンソースのロボット研究開発プラットフォームであるROSの開発をスタートさせるきっかけになりました。さらに、コンピュータビジョンライブラリであるOpenCVの新たな応用性の開発にも拍車をかけました。1年前、私たちは第1のマイルストーン(PR2による2πキロメートルの自律走行)を成功させました。半年前には、第2のマイルストーン(ドアをあけ、電源プラグに差し込み、42.195キロを自律走行する)を成し遂げました。そして今まさに、第3のマイルストーンが達成されようとしています。これは、PR2のソフトウェアシステムの基幹となるROSとOpenCVソフトウェアをより堅牢なものにするためのものです。

この数か月間、このサイトで私たちの製作フロアでPR2ベータの部品をひとつひとつ組み立てている忙しい様子をごらんになっていたかもしれません。PR2ベータが製作ラインから出てこようとしている今、私たちはPR2ベータプログラムを発表します。それによって、完成品としてのPR2が、初めてウィローガレージのドアを開けて外に出ていくということを意味します。PR2ベータプログラムにより約10台のPR2ベータロボットを無償で提供しようとするものです。

研究機関のみなさん、ぜひコール・フォー・プロポーザル(CFP)を読み、PR2を使って、オープンソースで科学的などんな貢献ができるかを描き、応募してください。コール・フォー・プロポーザルには、私たちがどうやって最高のプロポーザルを選ぶかやPR2のディストリビューションについても説明されています。

PR2ベータプログラムがロボット研究を加速し、オープンソースによるロボット開発に拍車をかけるものであることを信じています。世界中のロボット研究組織とともに、このオープンソースロボットコミュニティをさらに前進させていけることに胸が踊る気分です。

CFPのダウンロードや詳しい情報は、PR2ベータプログラム:CFPのページをごらんください。

原文はこちら。