2010年5月21日金曜日

事業家から高評価 - テレプレゼンス・ロボット

ロボットの事業化や科学技術発展への一助として、
3つめ+速報のニュースをご報告します。

先週末、サンフランシスコ・ルーカスフィルムアーツセンターで行われた
X PRIZE財団(*)の寄付金を集めるチャリティ・イベントで、
主催者のサーゲイ・ブリン氏(グーグル創業者)が、
ユタ州の休養先から、弊社のテレプレゼンスロボット「テキサイ」で登場し、
参加者の注目を浴びました。

イベントの参加者の1人、Keith Kleiner氏
(NASA Ames研究所にできたSingularity大学の共同創立者)が、
ロボットの事業化に関する興味深い考察を書かれていましたので、
日本語版を作成しました。

また、高齢者向けのロボットの可能性という意味で、
CADソフトで有名なAUTODESK社(時価総額70億ドル)
CTO(最高技術責任者)の上級顧問を務めておられる
Jonathan Knowles氏のすばらしい笑顔
(上から3つめのビデオ)をぜひご覧ください。

速報ニュースですが、
マイクロソフト社のマイクロソフト・ロボティクス・スタジオが、
無料になるという記事が、本日、IEEE Spectrumに掲載されました。
特に、今年のクリスマス商戦に投入されるゲーム機XBOX向けの
Project Natal(画像モーション・トラッキングによるコントロール)
との連携が語られていて、HRIやイメージ研究関連の広がりが
生まれてくることを期待しています。

Project Natalのすごく楽しい紹介ビデオです。


(*)X PRIZE財団について
1927年のリンドバーグの大西洋横断飛行の懸賞金25000ドルが、
現在の約30兆円の航空産業を生み出したことに触発され、
1996年、大気圏旅行の実現に向けた1千万ドルの懸賞金(Ansari X PRIZE)
が発表されました。7ヶ国26チームが、総計1億ドルの資金を投じ、
2004年の課題達成により、新しい産業の創造、規制改革、
宇宙は政府のものという固定観念の打破などに貢献しました。
その後の4年間に、個人宇宙旅行実現のため、
約10億ドルの投資が行われました。
http://bit.ly/X_PRIZE_Video (紹介ビデオ2分)

サーゲイ・ブリン氏のスピーチより

  • アイデアや夢の実現を加速
  • スポーツイベントや自動車レースへの広告費用と同じぐらいの懸賞金(3千万ドル)で、社内のエグゼキュティブが無理と思うような課題(Google Lunar X Prize - ロボットを月に送り、500メートル動かし、ビデオ映像を地球に送る)を競い合う。課題の実現については楽観しています。

  • 過去50年間の宇宙研究プログラムは、少々がっかりしています。1961年から8年間で、人を月に送り無事帰還させることができました。今、同じように、月に人を送ろうとすると、インフレや行政の壁があり、15〜20年間はかかるそうです。

  • 冷戦構造に支えられた政府主導の大型プロジェクトは、宇宙関連研究のイノベーションに直接的なサポートをできないようです。DARPAの無人自動車レースのように、NASAも同じような懸賞プロジェクトを行っていて、嬉しく思います。起業家精神に富んだ人たちによる小規模なプロジェクトが、科学技術のフロンティアを、より遠くにより早く広げていくことを確信しています。

  • 多くの小さなチームによる協力が、大きな成果を生み出しそうです。例えば、あるチームは、すべてを小さく作ることに長けており、携帯電話サイズのロボットを月に送りたいと願っています。この私の持っている携帯電話の情報処理能力は、私たちがグーグルを始めた時のサーバーの能力をはるかに超えています。この10年の著しい技術進歩のトレンドをふりかえれば、賢い人たちが、今後10年〜30年の間に、技術革新を早く先取りし、さまざまな課題を新しく違う形で、あるいはすごく安いコストで克服していくことと信じています。これが、私の中でのX PRIZE財団のシンボルになっています。
  • 将来、月からのテレプレゼンスで、このようなパーティに参加したいですね。
  • 100年間の歴史を持つ自動車産業のブレークスルーへのスポンサーを探していたところ、Dean Kamen (セグウェイの開発者)から紹介を受け、Progressive保険のCEOを紹介していただいた。
    1千万ドルの懸賞金をめぐり、136のチームがクリーンかつ商用可能な省エネ車(100MPG = リッター42.5キロ)を開発し、この夏3チームから優勝チームが発表される予定です。(Dr. Peter Diamandis、X PRIZE財団CEO)

今回のチャリティ・イベント"A Radical Benefit for Humanity"について

  • 参加費が、約10万円から500万円のパーティ
  • 主催者は、サーゲイ・ブリン(グーグル創業者)夫妻
    ジェームズ・キャメロン(映画アバター監督兼プロデューサー)夫妻
    ピーター・ディアマンテス(X PRIZE財団創立者)夫妻
    ラリー・ペイジ(グーグル創業者)夫妻
    そのほか、シリコンバレーを中心にした著名な事業家やベンチャーキャピタリスト、政治家など約50名が開催委員を務めています。

  • パーティ中のオークションによっても資金を集めています。
    Virgin Galacticによる宇宙旅行
    深海サファリ
    Teslaロードスター
    病気予防のための遺伝子解析 など
    http://bit.ly/X_PRIZE_BenefitForHumanity

***

税制が違うとはいえ、事業家から資金を集め、
夢のような課題に挑戦するチャンスを与えてくれる
X PRIZE財団の取り組みは、科学技術発展の歴史に
大きな足跡を残すことは間違いないでしょう。
ひとつの実績例として参考にすることは、
非常に有用であると信じています。

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