2010年5月18日火曜日

グーグル創業者サーゲイ・ブリンがテキサイでX PRIZEに登場

先週末のX PRIZE イベントに、Googleのサーゲイ・ブリンらがウィローガレージのテキサイを使って参加しました。ウィローガレージのブログ(英語)でも、サーゲイがテキサイを使ってキーノート・スピーチを行ったビデオ(本ページ下のビデオと同じ)が紹介されています。他にもいくつかのブログやビデオで話題になっていますが、ここではSingularityhubの記事をご紹介します。

トニー・ロビンスとサーゲイ・ブリンがロボットになった – テレプレゼンス革命

先週末、サンフランシスコで開催されたX PRIZEの資金調達イベントに参加したのですが、そこでセルフヘルプ(自己啓発)のグル、トニー・ロビンス(訳注: アントニー・ロビンス 成功メソッドのコーチングで有名)とGoogleの共同創業者サーゲイ・ブリンに会いました。でもそれは、普通の形で、じゃなかったんです。二人ともイベント会場には来られなかったのですが、トニーもサーゲイもウィローガレージの素晴らしいテレプレゼンスロボット、テキサイをリモート操作して、他の参加者と同じように会場を歩き回り、話しをしてたんです。もしあなたが私と似たタイプであれば、テレプレゼンスロボットというアイディアに少し懐疑心を持っているかもしれません。アイディアの目新しさやかっこよさに惹かれる時期が過ぎた時、テレプレゼンスロボットはニッチな役割を超えて、本当に社会に存在価値があるのか、ということに疑問があるのです。

テレプレゼンスロボットで華麗に振る舞うサーゲイやトニーを目のあたりにした後の私は、テレプレゼンス革命を信じる人間に変わったと思ってください。私を含めイベントに参加した人々はあっという間にそのロボット(テキサイ)に魅了され、彼らと話すのが大好きになりました。その夜、私はアルゼンチン、ワシントンDC、カナダの人たちと話しましたが、それは全員テレプレゼンスロボットを通じてだったんです。私たちの生活はテクノロジーによって支えられていますが、テレプレゼンスロボットという素晴らしいものも、新たに加わりそうです。下のビデオは、短いですが私がトニーと話している様子です。


人間は社会的生き物です。X PRIZEイベントにいたテレプレゼンスロボットは、ある意味においてこの人間の特性をしっかり理解していることに驚きました。もし、トニー・ロビンスが壇上に掛けられたテレビに映し出されるという普通のビデオカンファレンスの形でX PRIZEに登場していたら、同じような体験はできませんでした。彼は、会場をあちこち歩き回って、いろんな人を探したり(あるいは人から逃げたり)できません。話が終わってもそこから立ち去ることもできないし、彼の背後にいる人や物を見ることもできません。

現時点では、テキサイロボットは、人間との社会的なやりとりをロバストに行えるような腕も手も持っていません。もしいつか腕がついたら、このロボットの将来性はさらに高まるでしょう。

テレプレゼンスロボットの魅力的な側面の一つは、彼らがそのイベントの間中、いろんな違う人になったということです。X PRIZEイベントの会場には3台のテキサイロボットがいて、それぞれのロボットが世界中からの数名の興味深い人たちに変身したのです。下はサーゲイ・ブリンがテレプレゼンスで登場した時のビデオです。

テレプレゼンスロボットを介してイベントに参加するのは、いくつかの点において、実際に参加するより優れた部分があるのかもしれません。一つには着飾る必要がありません。ロボットでなら、フォーマルなイベントに下着姿で参加してもわかりません。また、数千マイル離れた場所のイベントに出かけている間、子どもを寝かしつけたり、家に来た人に応対したりするのに困りますよね。それももう心配ありません。テレプレゼンスロボットを事前に予約して準備しておけば、条件さえ合えば、複数のイベントに同時に参加することもできます。テレプレゼンスロボットは、将来パーティやカンファレンスなどのイベントで貸し出すことができるようになるでしょうか?これって、面白いビジネスアイディアですよね?

私は、テレプレゼンスロボットのユートピアに夢中になっているだけなのかもしれないし、テレプレゼンスロボットがすべて期待できるものとは限りません。例えば、彼らは段差があるところをうまく移動することができないし、テレプレゼンスで参加するのは当然実際にそこにいるのとは同じではありません。それでも、私にとってテレプレゼンスはクールだという事実は変わりません。この先10年で、人々が集まる場においてその存在を確立していくと思います。 もしそうであれば、その時、私はテレプレゼンスロボットの中にいると思います。

原文(2010年5月18日 Keith Kleiner)

OpenRTM-aistとROSが統合!

米国西海岸時間 May 18, 2010

Geoffrey BiggsAIST 産総研)は、ROSをシームレスにOpenRTM-aistに統合するパッチをリリースしました。これにより、OpenRTM-aistのユーザーはパッチをダウンロードして、ROSトランスポートを追加できるようになりました。以下はGeoffrey Biggsからの投稿です。

これは、すべての人の意見ではないのですが、ここ日本では長い間OpenRTM-aistとROSをつなげて一緒に使えたらいいのに、という要望がささやかれていました。このパッチのリリースによって、OpenRTM-aistの強力なライフサイクル管理と実行管理を維持しながら、ROSの幅広い機能とチャネル・ベースの永続通信がOpenRTM-aistに加わります。

OpenRTM-aist用のパッチのダウンロードはこちらからできます。

このパッチは、OpenRTM-aistに複数のROSチャネルにまたがって通信を特定して行える新しいトランスポートタイプを加えます。永続性のあるチャネルを使って通信を行える能力がいかに有用であるかを、いずれ誰かが見つけることは疑う余地もありません。もっとも重要なメリットは、OpenRTM-aist用コンポーネントとROS用ノード間の通信がほぼシームレスにできることなのです。ネットワーク上に分散したコンポーネントもノードも、一つのフレームだけに留まらなくてもよくなるのです

ラッパーは全く使われていません。すべての通信は、ROSのネィティブな形式ですので、ROSだけを使うときと同じようにROSライブラリを使えます。変換レイヤーがないということは、接続効率の最大化を意味します。必要なのは、ROSトランスポートのためにポートタイプを作成することだけです。すでにROSをわかっている人には、ポートを使うのは簡単なことだと思います。

一つ注意点があります。私が「ほぼシームレスに」と言った理由でもあるのですが、まだタイプの統合セットが定まっていないのです(OpenRTM-aistのタイプシステムについて解決しなければならない課題がいくつかあり、現在取り組んでいます)。このタイプについての課題は、現在、フレームワーク・デザイナーの間で熱心に議論されているトピックですので、近い将来に解決されることと思います。:)

下にOpenRTM-aist-1.0.0用のパッチと各ポートタイプ(パブリッシャー/サブスクライバー/クライアント/サーバー)のサンプルを下のリンクからダウンロードできるようにしました。これからもっと詳しい使用方法を書いたウェブページをOpenRTM-aistのウェブサイトに作りたいと思っています。それまではROS.orgのexamplesとソースの中にあるdoxygenのコメントが助けになると思います。とてもシンプルにできています。

ぜひ、ご意見やご提案、改良成果などをお寄せください。

  • パッチのダウンロードはこちら
  • 各ポートタイプのサンプルのダウンロードはこちら

原文

2010年5月17日月曜日

ROS関連の論文を共有しよう

米国西海岸時間 May 17, 2010

ROSに関連した論文がある研究者のみなさん、ROS.orgであなたの研究を公開しませんか?このROS論文共有ページの第一の目的は、論文を読んだ人が、中に出てくるROSのコードを簡単に試せるようにすることです。コードにアクセスしやすくなることでそれを読む人が研究成果の再現や検証をしやすくなりますし、より多くの人があなたの研究を実践した上で理解してくれるようになります。このページはすでにいろんな種類のROS関連論文が、論文全文と関連コードやドキュメントへのリンクとともに公開されています。そのうちのいくつかは、論文に関するビデオや研究成果を再現するための説明も含まれています。

ぜひあなたの論文をROS.orgにアップしてください!詳しくはこちら

原文

2010年5月12日水曜日

物体の三次元モデリング

米国西海岸時間 May 12, 2010

リサーチエンジニアRomain Thibauxは最近PR2に事前知識のない物体の形状を教える研究を行いました。ロボットは、そのステレオカメラを使って物体の三次元画像を取得することができます。しかし、一つの視点からはその物体のほとんどの部分は見ることができません。Romainの研究は異なる角度からの多くの視覚情報を元にして、完全な三次元モデルを生成することです。この研究では、その空間がある物体の部位を実際に含んでいるかいないかを示す証拠がどれだけ存在するかを計算し、その確率を利用します。これらの確率は、熱伝導方程式を使って、見えていない部分にまで広がります。フライパンを通して熱が拡散していくのと同様に、確率が空間を通して拡散していくのです。つまり、熱い部分は確率が高い部位であり、熱い部位と冷たい部位の境界がその物体の表面になるのです。

Romainのアクティブ・パーセプション手法は、ロボットによる未知物体の形状認識を可能にするもので、これは固定カメラではできないことです。このダイナミックなアプローチはPR2の知覚能力を強化し、よりよいマニピュレーションや物体識別、その物体をレンダリングしシミュレーションすることを可能にします。

詳しくは下のビデオやROS.orgにあるmodel assemblerheat equation solverをごらんください。

原文

HARK、テキサイ、オープンソースに関する記事(Singularityhub)

HARKのテキサイロボットへの搭載とオープンソースに関して、Singularityhubに読み応えのある記事が掲載されたので、許可を得て日本語にしました。

HARK! テレプレゼンス・ロボットのための音源分離システム

動物の耳が2つある理由の一つは、音が聞こえてくる場所を特定し、まわりの雑音からその音だけに集中させることにあります。ほとんどのテレプレゼンスロボットはマイクを1つしか持たないので、騒がしい部屋で異なる音を分離する能力が奪われてしまっています。京都大学の奥乃博教授とホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンのシニア・リサーチャー、中臺一博氏はそこに着眼しました。彼らは複数のマイクを使い、人がたくさんいる部屋で異なる音を分離し、音の位置を特定し、テレプレゼンスロボットのリモートユーザーが聞きたい音のチャンネルだけを選ぶことを可能にする、HARK(Honda…Audition for Robots with Kyoto…)というシステムを創り上げました。先日、ホンダ・京都大学のチームがウィローガレージを訪れ、HARKをウィローガレージのオープンソースソフト(ROS)を使ったテレプレゼンス・ロボットであるテキサイに搭載しました。HARKはROS(ロボット・オペレーシング・システム)に統合され公開されました。研究用途においては無償で使えるようになったのです。クールなHARK-テキサイのデモを下のビデオで見ることができます。

テキサイはオープンソースの手法を用いたロバストなテレプレゼンス・ロボットのプラットフォームとして、すでにかなりの感動を与えてくれています。テキサイのリモートユーザーは、テレカンファレンスができるというだけでなく、もっとすごいこと -- ロボットを使ってその空間を探検し、オフィスにいる人たちと自然な形で話しやミーティングができるのです。そしてHARKが加わったことで、人で混み合った場所でテキサイに誰かと一対一で話しをさせられるようになり、テキサイがどこにでもいける能力がさらに向上しました。これは、テレプレゼンスであれ他のものであれ、人間と一緒の空間でともに何かを行うことができる完全に統合されたロボットへ向けての、新たなステップなのです。


このビデオでは、HARKチームがシステムの重要な特徴について説明しています。0:38に、人々が集まって話しをして(そのうち一人は別のテキサイで参加)いる状況で、各人の声を別々のチャンネルに分離させる方法を紹介しています。1:03近くでは、HARKがテキサイに取り付けられた8つのマイクの音源の位置をいかに特定させるかがわかります。そしてこれらをもとにした、極めつけとも言えるデモが、1:21にあります。複数の人が話し、音楽も流れている場所で、テキサイのユーザーがただ一人の声(1から10まで数えているTakeshi Mizumotoさん)だけに集中して聞けるように、HARKが必要のない他の音を選びだし音を消すのです。

音源分離の技術自体は新しいものではありません。奥乃教授と中臺氏は10年以上前にロボット聴覚の共同開発プロジェクトを始めました。2000年に最初の論文を発表してからいくつかの技術的な進展がありましたが、たぶん、ロボット聴覚システムとHARKの最も大きな違いは、HARKがオープンソースであるということです。(ある意味で、と言った方がいいかもしれませんが。)HARKのコードは公開され、ROSに統合されていてます。研究目的には無償、商用目的の応用はライセンス供与により可能になっています。

オープンソースのテクノロジーに強く賛同し、支持している者として、HARKがこのような完全にではないオープンソースの形を選択したことに興味を覚えます。誰でもが無償でコードを使用、改良、構築できるなら研究は急速に進みます。しかし、HARKを使って商用に耐えうるアプリケーションが生まれれば、ホンダ・京都大学の研究開発費を回収できる可能性があるのです。私が知る限り、これは研究用/商用ライセンスによるオープンソースの初めての例ではありません。もしかしたらこのモデルは、オープンな研究を奨励したいが投資についても満足した結果を得たいという人々、またはその逆の立場の人々に対しての妥協策になりうるかもしれないと思います。

今のところはまだ、テキサイへのHARKの統合は、オープンソースのコードやプラットフォームの共有がロボットの研究をいかに加速させるかという新たな一例、と言えるでしょう。ウィローガレージの新しいプロジェクトを知るたびにそのことについて話すのが私の大きな楽しみになっています。そして毎回、その通りだ、だと思うのです。情報をオープンに交換しあうことは、科学を前進させるエンジンにとってのニトロ(亜酸化窒素)みたいなものです。もし私たちがSingularity(シンギュラリティー)に向けてより早く前進していきたいのであれば、こういうオープンなプログラムを科学コミュニティ全体に広げていくことが本当に必要だと思います。

[ビデオのクレジット: Willow Garage]

Aaron Saenz 原文

TimmyよりSingularityhub
日本語訳への快諾、どうもありがとうございました。

ICRAのビデオ PR2とたくさんのロボット達


米国西海岸時間 May 12, 2010

ICRA2010ではPR2にたくさんのロボットの友達ができました。上の短いビデオの中に、PR2、KUKAのLWR(Light Weight Robot)、BarrettのWAMアーム、アルデバランのNaoMeka RoboticsCare-O-bot 3、ボン大学のDynamaid、コブレンツ・ランダウ大学のhomerなど、たくさんのロボットが映っています。どうぞお楽しみください。

原文

2010年5月11日火曜日

楽しかったICRA 写真とワークショップの報告

Care-O-bot 3 and PR2 shake hands

米国西海岸時間 May 11, 2010

Bonn's Dynamaid Alaska Train Kuka LWR Aldebaran Nao PR2 Manipulation Demo Schunk LWA Segway RMP Barrett WAM Arm

先週のICRAでは会場を回っていろいろ見聞きし、また私たちのブースに立ち寄ってくださったみなさんとお会いできて、たいへん楽しい時間が過ごせました。 ROSを使ったロボットがどんどん増え始めていることを知り、またいつもROSユーザーのML ros-usersでメールをやりとりしている何人かの方々の名前と顔が一致したのも嬉しかったです。私たちはPR2ロボットを3台持っていき、ブースでデモを行いました。テキサイも持っていったので、メンロパーク(ウィローガレージがある市の名前)のオフィスから社員が操作して、時々展示会場を動き回っていました。なんとか時間をやりくりしてブースから離れ写真を撮ってきましたので、ぜひギャラリーをごらんください。

ICRAではたくさんのワークショップのオーガナイズをお手伝いしたので、参加者のみなさんと交流することができたのも素晴らしかったです。約60名の方がROSチュートリアルに参加しました。希望者のみなさんはその日はずっと、実際にPR2を使ってテーブル上の物体を自律的に持ってくる、というデモを行うことができました。移動マニピュレーションのワークショップには約100名が参加し、研究の方向性について幅広く活発な意見交換が行われました。また移動マニピュレーションにおける三次元認識とモデリングのための最善の方法には約80名が参加し、三次元認識とモデリングに関する詳細なプレゼンテーションと掘り下げた議論が行われました。

原文